2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧
ひとつぶの種から 大きな木が育つのは DNAという名のプログラムのせい そう聞かされて なお深まる いのちのひみつ いのちはひかりをもとめて ひたすら天をめざす。 こごえる季節ごとに 固く年輪をきざみながら。 その背とおなじほどに 根をはりめぐらしなが…
もうすぐ日が暮れようというのに、 まだうつむいたままなのですか 森の静けさに抱かれて 心はここにないのですか あなたの横顔は 来た道の謎に心を奪われているようでもあり 行く道の険しさを憂いているようでもあり。 あなたの唇は 何かもの言いたげでもあ…
あなたの魂が生まれた星は 夜空に光って 見つけられる星ですか。 それとも どこか気の遠くなるほど はるかな星でしょうか。 ふるさとの人々は あなたと同じ目をしていますか。 世界を変える力は その 深く澄んだ瞳に宿るものなのですか。 そこには 喜びがあ…
しだいに明るむ 窓の明かりに 壁のアラベスクが 浮かび上がる 永遠を意味する 植物のせめぎあい 絹の道をたどるうちに 永遠は その意味するところを 少しずつ変え 生き物の匂いを 閉め出していく 細胞をもつ者が 入ることのできない エリアがある イマジネー…
大好きな人に 忘れられないために 嫌われようと 思ったことはないですか? 言っちゃいけないことばかり 探して 選んで 大好きな人が 泣き出しそうになるまで 強い声で 「あんたなんか大嫌い!」 そういって 駆け出していく その後ろ姿 ああ あの子は自分を ず…
ずっと会いたかったから 会えて嬉しかった あんまり嬉しいから 会わせてくれたもの すべてに ありがとうを 本物のありがとうを 言ってまわったの あなたを生み出したもの あなたを育てたもの あなたを世に出してくれたもの あなたを見つけられた巡り合わせの…
大好きな人の目の中で 私はどこに立っているだろう まっすぐ見てくれなくても 視野のはじっこの私を 少しは気にかけてくれているだろうかと わからないことを わかったことにするため 頼るものはいつも同じ 花びらに託した切なる願い 「好き」「嫌い」「好き…
手紙でしか言えないことがあるように 物語でしか言えないことがあるように 詩でしか言えないことがあるように 歌でしか言えないことがあるのです あなたを見るたび 胸に異常気象が起こるので 歌をつくりたいと思うのです 歌は 天から降ってくるものなの? 胸…
背伸びが あたたかく見守られるのは まだ子供の証明 背伸びは子供の本能じゃないか 可愛いね愛しいねと 背伸びが その姿勢ごと 悪癖のように言われたら むごい青春のはじまりの合図 根っこは変わっていないのに とまどって 傷ついて それからどうするかは 人…
大好きな人の 自分と同じところを 見つけるのは 楽しいもの さよならをする時に 決して振り向かないこと まっすぐ歩いていくところ きっとあなたも 冷たい人だと 後ろ指をさされただろうと その胸の内など 知る人はなく その想いを ひとりだけのものにする …
君が生まれて お母さんにしてもらえたから それが幸せだったから これ以上 感謝してもらうことなんて 何もないんだ 期待していることは 私の目の中で 君が素敵に育っていくことだから 似合わないことを する必要もないんだ マニュアルだけは置いていくよ と…
その場に合わせて すばやく七変化 観客の心臓を わしづかみにする やることすべてやった後 雄弁な背中で はけていく 残るのは 疲労の余韻と 反作用の活力
どんなに行き詰まって見えようとも 魔法の呪文をとなえると 今までなかった扉が現われ 終わったはずのゲームが 再び始まる いつのまにか やんわりとかわすことを覚えた あなたがたたずんでいると それは冷たい気品にあふれていて 焦りは募って ゲームはます…
意志なんて 頼りにならないの ねこじゃらしに まんまとじゃれつく 猫も同然 あなたが姿を見せれば 私は全身「眼」になっちゃう あなたが姿を隠せば 時間がじりじりと 胸のあたりをあぶるので いてもたってもいられない うたでも詠まずには 乗り切れない 本当…
好きな人のハートを盗むために いつもと違った自分に なろうとするのは 自信がない証拠 大輪の花のように 装うのは 地味なことを 気にしてるしるし 小さな可憐な花のように 装うのは 清純そうに見えないことを 気にしてるしるし そうやって おそるおそる 大…
あすなろが 好きだと言った人がいました 明日はヒノキになろう、なんて 前向きだねって あすなろは人気者 ヒノキよりも人気者 どこまでも明日は明日で 今日じゃなく 明日はいつも手つかずで のりのきいたシーツのよう ぴかぴかの明日 なれるといいね 立派な…
本物は誰が決める 基準はどこにあるの 本物と偽物がどう違うか わからなくても フェイクは嫌だと 声を張り上げる権利は あるらしい だけど人につまづくのは 偽ブランドをつかむのとは わけが違う 人の言うことを どれを信じて どれを信じないか それだけの問…
はじける音をたてて 君は花開く 「すっかり女らしくなって」 そう目を細めるのは 君の母親という人だろうか 君が 自分のために用意されている と勘違いする者から 君の愛らしさを 守るために 私はここにいる 決して感謝などはされるまい それも知っているよ …
保護色のように くすんだ体 どうして流れる血は ここまで赤いのでしょう 生きる力を宿すため 朝夕の太陽に似せたのだと 言われてみれば そんな気も アドニス 流した血が 染み込んだ土から 花が咲くほどの うつくしい若者の名 いつの日だって 猛き者は 血を流…
ふるさとが 遠くにある人は ふるさとの野に咲く花と 同じ花を見つけるたび思う その花を この街で見かけるのは 何年目だろうかと ふるさとのひとたちは 今頃どうしているだろうかと ボクハイマ元気デス そう短くつぶやいてみる 辛くてたまらないとき 誰にも…
毎年毎年忘れずに咲くのだね 人々にやがて来る暖かい日を 知らせるため そうだ希望は きっとこんな姿をしている。 冷たく降り積もる雪さえ あなたを育む愛だと 言わんばかりに そうだった 強い者は 必ずしも猛々しくない あなたが乗り越えた重さこそ 強さの…
見つめる じっと見つめる 目の中で 対象は 変化する 変貌する 気品・高貴・優雅 褒めたたえる言葉が 流れ出せば あなたの勝ちだ みすぼらしく あったはずのものが 目の中で 限りなく その美の要素を 増殖させる 美化と呼ぶなかれ 対象は 私の目から どこへも…
いま のびのびと広がる幹は いつか 広がりはじめたばかりの 梢だった いま 繊細に空のレリーフを描く梢は いつか 芽吹いたばかりの 若葉だった いま 芽吹いている葉は いつか 梢に なるものと ならないものがある いま のび始めている梢は いつか 枝に なる…
ギターを奏で 歌に気持ちをこめる まっすぐに伝われと ありったけの気持ち パッケージして でも君は 自分のことだと気付かない まるでポプラの木のように まっすぐで 融通が利かない 君のそんなところ 好きだったはずなのに なんで こんなにもどかしいのだろ…
あなたは踊り子 根をおろさなくったって どこへでもいける この身ひとつさえあれば どこででも生きていける そう胸を張るあなたの 隠れた淋しさを 人は探し出そうとするだろう わけのわからない不安に駆られて でも あなたは のびのびとした両腕両足で 見え…
青いバラ 咲いた 花ことばは「不可能」 諦めを知らない 錬金術師 咲かせた それは 宝くじみたいなもの 「諦めない」 美しく響く 自分と関わりさえ なければ あなたを諦めない人 見ていると 悲しいでしょう 上手に諦める 技をきわめなくては 新しい 青いバラ…
いたずらぼーず おてんばむすめ しかけをつくる ここをこうして ああなってこうなって こころの底から楽しんで こころの底から大まじめ だます快感は だまされる快感に 一粒で二度おいしい 変幻自在の舞台 すべての予想を 楽しく裏切る まずは見てのお楽しみ…
意味のある 文字を紡ぎ すっからかんになるまで 吐き出し それから後は 意味のない 羅列の上を 石蹴りの要領で 飛んでいく 細工はリュウリュウ 仕上げをゴロウジロ 行きたい場所はあるけれど 飛んでいくのも快感で 飛べる自分もちと誇らしく 詰めの甘さが 玉…
ゆかりの街を ゆかりの野を たどるように歩く 花の香 木の香 風の音 水の音 まだ名付けられていない それらすべてを 全身で 細やかに受け止めながら おもいでが いつどこで どんなわけで よみがえるのか どんな意味をもって 結び合わさるのか 未来は混沌とし…
「完璧なものは大好き」 快活な少女は言った。 いつまで見ても飽きないから こころが洗われていくようだから こころを吸い取られないように 大人の分別を保つんだよ そんな言葉に惑わされない だって「今」だけが人生だから 見ている「今」だけがすべてだか…