詩~『背伸び』

背伸びが
あたたかく見守られるのは
まだ子供の証明
背伸びは子供の本能じゃないか
可愛いね愛しいねと

背伸びが その姿勢ごと
悪癖のように言われたら
むごい青春のはじまりの合図
根っこは変わっていないのに
とまどって 傷ついて
それからどうするかは
人それぞれ

必要なだけ
背をまっすぐに伸ばさないと
踏み出すきっかけだって
つかめやしない

踏み出さなくても
懸命に手を差し伸べなくても
年だけはとることができる
きちんと年とったふりだってできると
ずるい人は知っているもんなんだ
きっとそうなんだ
惑わされちゃいけない

まだまだ伸びるよ
その時々に
丈夫な花だって咲かせて
それでもなお幼子のように
伸びていけるよ
精いっぱい背伸びする
そんな君なら