詩~『アイドルへ』

本物は誰が決める
基準はどこにあるの
本物と偽物がどう違うか
わからなくても
フェイクは嫌だと
声を張り上げる権利は
あるらしい

だけど人につまづくのは
偽ブランドをつかむのとは
わけが違う
人の言うことを
どれを信じて
どれを信じないか
それだけの問題
それすらわかっていられるか
その時にならなきゃわからない

だまされたくない
そんな心配するよりも
だまされたと
誰かがこっちに指をさすのを
心配した方がいいのかな
できればそこに立ちたくないね
嘘は嫌いだと言う人ほど
口あたりのいい嘘が好きなんて

見たいものを
見たい人に
見せてあげる仕事だね
だから現実と虚構の境目に
見事にぼかしが入ってる
繋がって見えてしまうのは
あなたのせいではないけれど

信じられる人とは
友だちになれるね
あなたの「信じる」は
きっと誰よりも重いだろう
疑いとか騙しとか
考えることもない相手
奇跡のように少ないのかな
だから
私も信じなくていいよ
なんて
つい思っちゃうんだ
思うたび淋しいけど
つい思っちゃうんだ