詩~『あなたはどこまで すてきになるのか』

ひとつぶの種から
大きな木が育つのは
DNAという名のプログラムのせい
そう聞かされて なお深まる
いのちのひみつ
いのちはひかりをもとめて
ひたすら天をめざす。
こごえる季節ごとに
固く年輪をきざみながら。
その背とおなじほどに
根をはりめぐらしながら。
きまりどおりのいとなみに
ひとのいのちの
かたちを重ねて
いとしくおもう
こころのからくり

あなたはどこまで すてきになるのか
目にうつる うつくしきすべてに
あなたは宿る
あなたは時の流れにそって
フラクタルの次数を重ねる
その本質を変えることなく
絶えまなく変化させていく
濃さと深まり

あなたはどこまで すてきになるのか
みつめるほどにたかまり
みちてくる
名も知らぬおもいのはてに
あなたはどこへいくのか
くりかえしおとずれる
滅びとよみがえりのはてに
あなたはなにものになるのか