「完璧なものは大好き」
快活な少女は言った。
いつまで見ても飽きないから
こころが洗われていくようだから
こころを吸い取られないように
大人の分別を保つんだよ
そんな言葉に惑わされない
だって「今」だけが人生だから
見ている「今」だけがすべてだから
「完璧なものはキライ」
泣き虫の少女は言った。
壊れると悲しいから
汚れるとがっかりするから
壊れたり汚れたりしないよう
大切にすればいいんだよ
そんな言葉にだまされない
いつか消えてなくなるのを知ってるから
その未来を今が抗おうとするから
「完璧なものなんてない」
疲れた少女は言った。
もう何も見ない。
何もそこにない。