2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

詩~『いじめられっこの君へ』

地味な方が生きるのが楽なんだよ 地味だとこころが楽しまないけどね 何もしなくても目立つやつはいるね そう生まれついてるんだ 自分が目立つのは面倒なのに 目立つやつがなぜだか妬ましい そういうやつ いっぱいいる 君はどっちがいい? 誰も自分を選べない…

詩~『HOLD』

大切な子を抱きしめてると 大切な子はキモチいい 抱きしめてるワタシもキモチいい だから 抱きしめるのが その子の為だったのか 自分の為だったのか わからなくて 考えても どうせわからないので 考えないでいる いつしかその子は 広い世界を見てみたいと 飛…

詩~『ノスタルジー』

辛いことがあるたびに ときおり開く ふるい宝箱 汚れてくたびれたテディ・ベア ガラスのペンダント 色あせた写真 そして 今よりも若かった日の 想い出 それは「懐かしさ」 記憶のかけらの ひとつひとつに よりそう 泣きたいようなしあわせ その時は しあわせ…

詩~『少年』

「こんな人だとは思わなかった」 そんなコトバを聞きたくないばかりに ちょっと悪ぶる 繊細な少年が好きでした かぶった仮面が 一人歩きすれば 自分が撒いた種なのに よけいに傷つく そんな不器用さが好きでした 傷つく分だけ 傷つける人間にはなるまいと こ…

引っ越し中なんです

ホームページを運営していたのですが、仕事が忙しくなって、ついつい更新が億劫になって滞りがちになってしまいました。そこで、ブログに引っ越しを決め、創作物から優先して転載しています。 今月いっぱいには作業を終える予定。では、よろしくおつきあいの…

詩~『役者』

本物らしく見せるために 作ってみせたら 本物そっくり 本物はチープに感じるのに 本物らしく見せたものは なぜだかリッチ 人々が賢くなったせいなのか 人々の賢さが足りないせいなのか 舞台裏を見せても 全部手の内を見せても まだ裏がある それが切り取った…

詩~『無理』

立ち止まっているのは 怠惰のせいではないの どちらを向いても 気持ちが定まらないのだもの 生きているっていうのに オブジェのように そこに収まらなくては ならなかったのだもの おかげで 躍動するためのバネは おもいきり退化して それでも躍動の姿ばかり…

詩~『かわうそ』

ここは急流だよ? 生きてくだけで命懸け 健やかにいるだけで寿命が縮まる なのになんだって ペットを見るように見るのさ 僕が見かけによらないって? そういうことは ちゃんと見てから言いなよ 僕を誰だと思ってるの フツー 根に持つだけでも努力が必要 フツー…

詩~『ハイウェイ』

気ままに走らせる ハイウェイ 思いきりスピード上げて 目的地は? 気持ちの向かう方さ その時のキブンで 損したって怒り その時のキブンで 得したって喜ぶ それもたまには良いんじゃない? だってキブンは大事さ ボクたちみんなが 猫が見ている夢の 登場人物で…

詩~『英雄』

冷たい時代も そろそろ 「長い」という形容詞が あまりに似合うようになったから 淀んだ水底の ほの暗い街角を 這うように歩く 人々のこころにも そろそろ 英雄が必要だ 現実のカタチをもった 英雄の中の 英雄 新しい人間 誰もがその名を知るが その名がいつ…

詩~『ウロボロス』

その腕に 脚に 胸に 無数に刻み付けられた 匠のわざ 日本刀のように 長い時と たわめられる弾力 触れることのできない 威厳 時が裂ける その刹那 スパークする この世の すべて 輝かしきもの 未来へとつながる ウロボロス 今日も 万感をこめて 拍手を贈ろう

詩~『物語』

誰でも お話の1ページ目は わくわくしながら 読み出すもの 最初が良いと 名作の予感 流れるように進めば すっかりこころは物語の中 次々と現れる登場人物に 愛情感じたり 反感抱いたり あり得ないような 魅力的な人だって (抱きしめたい) あり得ないような …

詩~『まっすぐ』

としよりが若者に語っていわく 好きは好きで 嫌いは嫌い 正しいは正しいで 間違いは間違い きれいはきれいで きたないはきたない まっすぐだというのは そういうことだ まっすぐが 報われる未来を信じているの? 裏切られる未来を恐れていないの? とうに裏切…

詩~『アート』

感じることを学ぶのは 考えることを学ぶより たやすいだろうか 確かめることなど もともとできはしないけれど 感じたことを伝えるのは 考えたことを伝えるより 難しいだろうか たしかめる方法など もともとありはしないけれど 音もたてずに しのびよる未来 …

詩~『バースディ』

何のためだろう ひとが ひとの生まれた日を 祝うのは あなたが いまここにあることを 世界中に感謝するため あなたがいる幸福を 確かめるため そしてもうひとつ 重すぎて 口に出すことさえできない 大切な思いを 祝いにかこつけて さらけだしてしまいたいか…

詩~『エンタテイナー』

君は体がゆっくり動く きっと心もゆっくりなんだろう 君を楽しませるのは楽じゃない ねえ、君は何が好き? 楽しんでるヒト見るのは大好きだから 君にも楽しんで欲しいな 比べるつもりはないけれど、 他のコみたいに笑ってみせてよ 君の笑顔はどんなんだろう …

詩~『ひまわり~ギリシャ神話より』

どんなにたくさんの 人の中からでも あなたは一瞬でわかる どんなに動こうと すぐに見つけられる 私の目が ひとりでに探し当ててしまうから 「白皙の美青年」と いうのですって 言の葉は あなたに会う時を 気の遠くなるほど 待ったのだろうね あこがれを 描…

詩~『楽園』

楽園行きの地図は 北も南もよくわからない 地図を捨てて 地球の自転の軸方向 星の回転の中心を右手に まっすぐに進め 湿った空気 異質なものを受け付けない 激しやすい気性の人々 みんな振り捨てて 熱い空気が 何もかも乾かしていく 場所へと ひとあし早く旅…

詩~『トリカブト』

永遠と忘却は 双子の兄弟 地より見上げる 空の青さ そらより見下ろす 星の青さ ふたつの青さを うつしとり ひめやかに咲く 毒の花 永遠と忘却の 結び目に 自分ひとつを 武器にして 守るものは 何なのか

詩~『竜』

あいつの前だと 明るくハジけ あの人の前だと 折り目正しく あのコの前だと ダンディに決める 人が変われば 光が変わる 影が変わる 色が変わる 空気が変わる そして僕も変わってみせる くるくる変わる どれがホントウの僕かって? 意味のないクエスチョン 僕…

詩~『虎』

「虎よ 虎よ」という 物語があるって きっと ぴったりとした皮のパンツが この上なく似合う ネコ科のニンゲンの オスの話ね、と 女友だちが きらきら光る目で言う ファッショナブル過ぎる ファッション誌に 頭を乗っ取られたね ものうく聞く私の前を うかつ…

詩~『愛の起源』

人と文明の起源は 掘り起こされたのに 愛の起源を 掘り起こせた人は まだいない。 だから、 探しに行こう 原始の愛が埋まっている場所へ この星の上のどこにもない どこにでもある遺跡へ 第一発見者になろう 重々しく置かれるモニュメントに 金ぴかの名前を…

詩~『野心~若い人へ』

あなたの口から 「野心」なんて聞くと 私 嬉しくなってしまう 誰もやったことのない 冒険をするの? 誰も見たことのない すてきなものを作るの? 人の後をついて歩くだけじゃ 熱さを持て余してしまうから あなたの若い力が 新世界を求めているから あなたの口…

詩~『自意識』

だれも見ていないのに 自分の見た目が恥ずかしくなる だれも見ていないのに 内面と同じように醜くはないかと つばひろ帽子、黒い日傘 隠せば 隠すほど ますます自分が恥ずかしくなる だれも聞いていないのに 言葉を口にするのが恥ずかしくなる だれも聞いて…

詩~『イリュージョン』

イリュージョン 外にあるものが 内にあると思うこと 内にあるものが 外にあると思うこと 今夜もどこかで 迷える子羊 犯したことのない罪におびえる 「辛いことがあると 酔いと夢に逃げたくなる」 逃げたことないのに こころは苦さでいっぱいで さあ まぶたを…

詩~『カテゴライズ』

すべてのものは ふたつに切り分けることができる 「○○のもの」と 「○○じゃないもの」 気まぐれに引いた線の こっち側と向こう側 その線が きまぐれの軽さには 見合わないほど 強いしがらみになるなんて 引く時に知ってるやつなんていない その線がたまたまあ…

詩~『自分にこほうび』

自分にごほうび おかしいかい? あなたはひとに ごほうびあげたことないでしょ? ごほうびは がんばったことへの ごほうびかな それとも うまくいったことへの ごほうびかな うまくいくことがごほうびだから がんばったことこそほしいよね うまくいくためには …

詩~『ネズミと青空』

灰色の曇り空 刃物で切り開くように 青空がのぞくのを さっきからこうして 待っているわけなんだけど 待っていると ますます遠のく気がするのは 体が小さい分 肝も小さいから なんだろう うまれてきてみたら 自分の体の色と同じ くすんだ空があるなんて がっ…

詩~『王子様』

王子様は 馬に乗ります 王子様だから 風の生き物と心が合うのです 王子様は 娘も、老婆も、富む者も、貧しい者も まっすぐに見ます 王子様だから 目が、あるがままを見るのです 王子様は 同じ花の上に生まれた人々の夢を見ます 王子様だから いのちの秘密を …

詩~『役目』

楽士 かなでる 歌姫 うたう 踊子 おどる オルゴオルの上で 鍛冶屋 きたえる 農夫 たがやす 神父 いのる 箱庭の上で 諸候 かしこまる 兵士 ひかえる 王様 うれう おもちゃ箱の中で 神様 みまもる