詩~『みやこわすれ』

ふるさとが
遠くにある人は
ふるさとの野に咲く花と
同じ花を見つけるたび思う

その花を
この街で見かけるのは
何年目だろうかと
ふるさとのひとたちは
今頃どうしているだろうかと

ボクハイマ元気デス
そう短くつぶやいてみる
辛くてたまらないとき
誰にも何も言えないとき
かかってくる電話は
決まってふるさとから

ふるさとが
想い出のなかにしかない人は
想い出の中で咲く花を
今咲く花のように愛でながら
遠い日々を懐かしむ