詩~『踊り子』

あなたは踊り子

根をおろさなくったって
どこへでもいける
この身ひとつさえあれば
どこででも生きていける

そう胸を張るあなたの
隠れた淋しさを
人は探し出そうとするだろう
わけのわからない不安に駆られて

でも
あなたは
のびのびとした両腕両足で
見えないものを作ることができる

静寂にあわせて
踊り続けることができる

私の胸の底に溜まる澱を
涙で洗い流すことができる

不安の量は
あなたがひとりだけで
なし得ることの大きさと
定規で引いたように
比例している