2005-09-13 詩~『アドニス~ギリシャ神話より』 詩 #詩 保護色のように くすんだ体 どうして流れる血は ここまで赤いのでしょう 生きる力を宿すため 朝夕の太陽に似せたのだと 言われてみれば そんな気も アドニス 流した血が 染み込んだ土から 花が咲くほどの うつくしい若者の名 いつの日だって 猛き者は 血を流すことを恐れない けれど いつの日だって 流れ出る血は 悲しみ色をして アドニス この世で最も うつくしい女神から愛され その愛を悲しみに変えた 若者の名