『情熱大陸』と『世界うるるん滞在記』

基本、テレビはあまり見ない。
社会人になった頃から、何か理由がない限り、ほとんど見なくなった。
ところが、子供の頃はテレビ好きで、特に深夜の海外ドラマが見たくて、どれだけ叱られても頑固に抵抗して見た。
録画というのは本当に私のような者、もしくは聞き分けのない子を持った親のためにある発明だと思う。
そんな「面白い映像を見たい」というパッションを満たすものは、最近では完全に映画に移った。
いい番組を見逃したな、と後悔する時はあるんだけど、後悔をしないためだけに待ち構えて過ごすには、人生はあまりに短い。
過去のいい番組が時々DVDになるようになったのは、本当にありがたいことだと思う。
いつか、あらゆる過去のテレビ番組が有料で動画配信される時代が来るといい。

藤原竜也さんの『情熱大陸』と『世界うるるん滞在記』、昨日届いた。
楽しみにしてたんだけど、それは想像を超えていた。
情熱大陸』20歳の藤原さん。
少年じゃないけど、大人の男というにはまだ早い。
何て、心身ともに健やかで美しい人だろう。
それでいて、どこか普通の人間と違う回路を感じる。
役者の持つメンタリティは、「欠乏」や「壊れ」の結果として表れてくるものだと言う人がいるけど、本当にそうなんだろうか。
だってそれが真実なら、そのモチベーションの核は「飢え」のはず。
うん、飢えを満たすために情熱を傾ける人は知っている。
だけど、藤原さんはそんな感じではなく、もっと違う、もっといいものに基づいているような気がしてならない。
それは、私がまだ理解できない、未知の感情、未知の概念だったりするのかも知れない。
あくまで、私個人の勝手な感想だけど、ファンサービスの場面には感動をおぼえてしまって。
ファンの方たちの幸せそうな美しい笑顔。それを見つめる藤原さんの優しいまなざし。
営業上の戦略としてやっているにしては、この優しくゆったり流れている時間は何なのだろう。
仕事で真剣な人は珍しくはないと思うけれど、ファンにここまで優しい人は……。
そして、仕事で苦悩しているときは、人の目から自分を隠そうとする。
無理して笑おうとするし、最悪笑えない時にも、絶対にカメラに不快や怒りの目を向けない。
そう言えば、友達の小栗さんもそうだった。
誰からも愛されて当然。女性みんなが藤原さんに恋して当然。
私もついにそれを認めることに決めた。


世界ウルルン滞在記』17歳のネパール。
異国の街で、思わずしげしげと見とれてしまう、美しい横顔の少年。17歳。
17歳にしては幼く見える人懐こさ。
17歳にしては大人に見える筋の通った言動。
一生懸命、家族のための頑張っている女の子が「なんかいい」と言う、いまどき珍しい女性観。
いたずらを仕掛けてくるわんぱくな男の子たちに「親の顔が見たい」とか、同じ目線に下がって毒づくところ。「これが噂に聞くやんちゃか」と。
ああ、こういうところも良いなあ。
ネパールの人たちは、たぶん一生、藤原さんを忘れないと思う。
それくらい一緒に過ごした時間が素敵だったんだと思う。
次女の女の子、泣いてた。かわいそうだったな。


想像以上の、そして金額以上のお宝映像だと思う。
他にもたくさんまだDVDになっていないものがあるはず。
ぜひDVD化して欲しいものだ。
せめて、有料動画に。