『デスノート The Last Name』

娘と二人、日曜日に見てきた。

前宣伝でうたわれていた原作との一番大きな違いは、ラスト近く、Lが用いたトリックのことだった。こんな遣い方、原作者だって思いつきもしなかったはず。息が詰まるような、ライトとLの頭脳戦は決着した。二人の勝負は、原作とは逆転したことになる。原作ファンはすっきりしないものを感じるかも知れないが、私は、この終わり方が「映画的良心」の枠だと思う。あえて「限界」とは書かない。原作で、ノートが本物かどうか確認するために「殺すとしたら犯罪者だな」と言い放った瞬間、すでにライトも本質的に犯罪者に堕ちていたのだと思うから。

前編で例に出した『罪と罰』だけど、ラスコリーニコフもライトと同様、自分の罪を……特に、予想外の殺人の分を……正当化するため、しきりに偉業には犠牲がつきものだと繰り返す。だけど、それは欺瞞だから、精神がどんどん崩壊していく。ここで最後まで平静でいられるのはむしろ人間じゃないと思う。やっぱりここはカタルシスののちに静かな終わりを迎えるのが一番だ。というわけで、納得のいくエンディングだった。

それはともかく、若い女性のきれいな足が「これでもか」とばかり出てきて、館内にざわめきが起こるほど、それは「ものいいたげ」だった(笑)。女性は、自分の寿命が短くなるのを男性より恐れない、という物語での設定は、この美しさのせいだろう、と、思う。

しりきれとんぼだけど。