『スウィング・ガールズ』DVD

娘が一緒に見よう、とレンタルしてきた。
筋立ては『ウォーターボーイズ』とほとんど一緒。
音楽もので青春もの、というと、音楽秀才の子達の群像劇『のだめカンタービレ』のようなのも素敵だけど、みそっかすがそこそこいけるようになる、という『スイング・ガールズ』の方が当然、親しみを感じる。
あの短期間であそこまでうまくなるっていうのがリアリティ不足の気がしたけれど、吹き替えでなく、まぎれもなく本人たちの演奏だと聞いて、考えを改めた。
まるで、チャレンジ物のドキュメンタリーみたいだ。
みんな最初は寄せ集めで、楽器と同じくらいがらくたなのに。
でも、スポーツもいいけど、やっぱり音楽は良いなあ。
ともかく、音楽は楽しい。
ロックバンドもいいけど、ジャズバンドも、しかも女の子のジャズバンドという意外性が思いのほか新鮮だ。
気持ちをあわせて、そしてスイング、か。

ところが、見ていて、またしてもデジャブ。
実は、某講座で、企画書の真似事をしてみたのたけど、『四人の少女』を主人公にした青春もの、という条件を与えられて、できるだけユニークなものを、と考えたけど、どうしても、『ウォーターボーイズ』に筋が似てしまうのだった。
つまり、この映画を見る以前に、音楽をダンスに置き換えた、そっくりのストーリーを書いていたのである。
「ダンス」っていうのは、娘にいろいろ取材して、割と具体的な知識を仕入れることが可能だったので。
女の子だって、熱い青春があるさ。
それにしても、「企画の書き方はいいんだけど」、というのは、内容がありきたり、という意味よね?
私の創造の力なんて、その程度のもんなんだわ・・・・・・などと自分を哀れんでいる暇はないな。
今まで存在しなかったことを、一生に一度は考えてみたいものである。

シンデレラ型の物語が普遍性を持っているのと同じく、成長物のこうしたストーリーもずっと形を変えて生き続けていくことだろう。
ところで、『東京タワー』や『anego』の中園ミホさん脚本、黒木瞳さん、中森明菜さん(!)出演のバレエ・ドラマが四月からスタートするとか。
ブログに書いといてなんだけど、このドラマ、密かに楽しみにしている。
それだけがきっかけでもないけど、私も、もう一度、フルートやろうかなあ、と思ったりしている。
あれは、文章書きと同じく、私が力を感じることのできた、数少ない体験だったのだ。
自分で楽器を買ったり、個人レッスン代が捻出できるようになった時に、どうして始められなかったのか自分でもよくわからない。
若い時に引き裂かれた恋人みたいなもので、年とってから会うのも辛いと思っていたのかな。
そんな気持ち、たぶん、脚本家さんは理解してくれる・・・・・・はず。

話があらぬ方向に行ってしまったけど、さわやかな後味の、いい映画だった。