映画「流浪の月」

来年公開の映画「流浪の月」に横浜流星さんが出演されるニュースが入ってきました。

あらすじを読んで、これはまた、「嘘喰い」とはまた別の意味でチャレンジングな役だと思いました。あらすじだけの情報でイメージすると、この亮という役に気持ちを寄せる人は少ないと思いました。特に女性では、なかなか難しいかと。でも「悪人」「怒り」を指揮された李監督ならば、単純な善悪で人間を切り分けるような薄っぺらいことは絶対にされないはずなので、心して見ようと思います。

チャレンジングで思い出しました。モーツァルトだったか誰だったか忘れましたが、偉大な音楽家が、あるクラリネットの天才奏者に「当て書き」して名曲を書いた、というエピソードを読んだことがあります。優れた作曲家と奏者と名楽器。名曲はそんな出会いを母胎にして生まれてくるのかも知れません。

それと同様のことが、映像作品の製作者と役者の関係にも言えると思うのです。横浜さんをキャスティングした方の気持ちを憶測すると、過去作品を見て、「まだ誰も見ていない横浜流星の顔を、引き出してやろうじゃないか」という野望を抱いたのではないかと。「まだ誰も見たことのないもの」を映像化することこそ、クリエーターの誉でしょう。わかんないですけど。

横浜さんの作品を続けて見ていく内に、さすがに素人の私にもわかって来ました。どの役も「別人」に見えて、中の人が同一人物であることが不思議に思えてきます。それぞれの映像に既視感すら覚えないほど、それが徹底しています。これは、言い換えればその物語の登場人物そのものに見える、ということ。その人がその人であることに違和感を覚えないのです。

これが、横浜さんの俳優としての天分であるとすれば、楽器の名器の如く優れた容姿、身体能力、声、に加えて、天才奏者の魂を持ち合わせている、ということです。製作者の血が騒ぐのも無理はありません。私の勘が正しければ、オファーが今、殺到していますね? 優れた俳優の一年一年はダイヤより貴重ですから、オファーする方も闘いです。

そんな訳で、私のハッピーな映画ライフも未来まで約束されて、とても幸せです。

その日まで、皆さまと共に健やかな日々を過ごせますように。

では