『東京タワー』が文庫化された

書店に行ったら、江國香織著『東京タワー』が文庫化されていた。
なにやらトキメキを感じて手に取り、あとがきの解説を見てみたら、やっぱり映画『東京タワー』の源監督だった。
監督の生み出す映像と同じくらい美しい文章なので、興味のある方には一読をお勧めしたい。
しかし、原作にはあまり強く感じなかった『残酷さ』を映画のコアに据えたのは、監督ではなくてプロデューサーだったのか・・・・・・個人的には、その点に一番惹かれたりもした。
けれど、監督が江國さんのファンだとは知らなかったので、何だか気の毒したかな、という気もする。
役者ファンはある意味、暴君だから。
岡田くんがキャスティングされたこと、ポジティブにとらえてもらっているような、そんなニュアンスを文に感じたのだけど、それは気のせいだろうか。
監督の口からはっきりと、映画がヒットした、と聞くと、何だか肩の荷が下りた気がする。
「『東京タワー』を映画館で八回見ました」と言えば、引かない相手はいない。
そのリスクを冒して努力した甲斐があった。

話は変わるけれど、岡田くんにならって自分磨きをする、名づけて『R強化計画』、と宣言したのが三年前の年頭だった。
あの直後から、インタネットスクールの『あしたね学園』でシナリオの勉強をはじめた。
例えば写真を見て、二人の人物にそれぞれ役名をつけて、キャラクターを書く。所要時間十五分。
見ていた夫が、「どうしてそんなことができるの?」と聞く。
「どうして歩けるの?」と言われたような、不安にさせられる問い。
どうしてって言われても。
夫は、できないんだそうだ。ふーん。
というわけで、何の苦労もなく楽しく半年で終了し、そこで紹介してもらった『シナリオ・センター』の通信教育をはじめた。
基礎科12課題。本科20課題。研修科30課題。二年と九ヶ月かけて、とうとう今日、すべての課程を修了したという証書を受け取った。全部で三年と三ヶ月。
その合間に、ライティングマラソンとポエムマラソン、なんていうのもやったっけ。
毎日、何か書いていた。
予定より三ヶ月ほどオーバーしたけれど、苦手な課題があって延び延びになったのが敗因だ。
『メロドラマ』と『アクション・ドラマ』は、それぞれ二週間ほど提出が遅れてしまった。
あまり高い評価はもらえてないかも知れないけど、勉強していて楽しかった。
これからどうしようかな。まだ具体的なことは決めていない。

岡田くんが、脚本を書いているとか。
綾辻さんとの対談で、何か書いている、なんて言ってたよう記憶が。
いずれ映像化されると良いな、と思う。
物語でこそ語れること、大いに語って欲しい。
「明るい未来で会いましょう」