ドラマ「#着飾る恋」第7話

第7話見ました。「2人がいい関係になる展開の早いドラマだな」という印象が、「えー?!このタイミングでライバル登場って?」に激変しています。真柴さんにおける葉山さんは「始まらないで昇華した恋」のはずだったし、駿くんにおける葉菜さんは「終わった恋」のはずだったのに、まだ何か来るぞという予感がひしひしと。何でかなあ、と思っていたら、それぞれの「やりたいこと」としての職業と恋のライバルたちが深く結びついているからなんですね。

そもそもですが、これまでの7年間の葉山さんにとって真柴さんはどういう存在だったのでしょう。会社の一員として大切な存在、というのは本心だと思いますが、ひとりの女性としてどう思っていたのでしょうか。否、上司と部下という枷がはずれて、今どういう目で見ているのでしょうか。真柴さんが、まだ高校生だった時から自分に憧れていた、と知った時の気持ちはどんなものなんでしょうか。密かに憧れていた人の元で働くために、島を出て専門学校にバイトしながら通い、入社してその人と直に言葉を交わすようになって、その人を支えるために懸命に努力してきた•••想像するだけでその健気さに心を打たれます。ここまでされて心が動かないとしたら、唐変木の汚名は免れませんな。思えば香子さんは、真柴さんのこの想いをずっと見守ってきた人なんですね。

一方、駿くんの元カノ葉菜さんは、駿くんが潰した(はずだった)お店のオーナーの娘で、かつては彼を支え、今は店を移転してまだ続けている、と。その健気さも心を打たれるのですが、自分が駿くんの立場に立って考えても恋愛感情が蘇ることはないと思います。重いし。恋人の便宜を図って親の力を利用した挙句、最悪の結果を招くなんて、よく聞く話です。

あれ?つまりは、健気さは恋愛におけるアピールポイントになるとは限らない、と答えが出てしまいました。やっぱり、対等で、自由な気持ちになってする恋がベストかな。

それまでは、上司と部下の関係性に阻まれていた葉山さんと真柴さんも、その自由で対等な位置に立ちました。ここで嫉妬する駿くんが、可愛いと思いました。やっとか。しかし、会話の余白が素晴らしいですね。浜辺で夕陽を見ながら、真柴さんが、故郷の初島を離れて島の良いところに気がついた、と言うのを、葉山さんはしみじみと見つめた上、真柴さんの生まれ育ったところが見られて良かった、と返します。言葉を受けていないようで、深いレベルで受けてるんですね。葉山さんは、社長を退いて距離と時間をあけて、真柴さんの本質的な良さが改めて分かったんだという含みを感じました。

自由な恋といえば、一番感情移入できる、というか自分に近いキャラクターは羽瀬さんなので、今回のはるちゃんとの一歩前進は良かった、と思いました。基本一人が好きで、一人でやってみたい人だから、男性に力になって欲しい訳じゃないけど、心が弱ってる時に黙って側にいてくれて、もっと弱ってる時にギュッとしてくれる好きな人がいたら幸せだっただろうな、とは思います。でも、相手が男性だとギュッだけでは済まないことも多々あるんで面倒くさいんだな(ただ今トラウマ警報発令中)。

余談ですが、駿くんのお父さんは、札幌在住で大学で天文学を教えていると言うと、北海道大学の理学部、あるいは北海道科学大学、いずれかですね。けっこうニッチな分野だと思うし、ポスト次第で日本全国各地に移住する人がいるのが研究者なので、はとこのはるちゃんと地元が離れ過ぎている謎も、これで解決です。こういう細かい部分に隠れたストーリーが仕組まれているところが、とても気持ちいいです。

でも、超高学歴、職業の父親の家庭に育ちながら、おそらく高卒で単身日本を飛び出し、スペインの有名レストランで飛び込みで武者修行したのですね。料理人としての腕は確かなのに、一度の失敗で半ば世捨て人になるのは不自然な気がしていましたが、生い立ちを知ったら、その投じた物の計り知れなさ、本当に達成したかったことも想像できて、駿くんという人が分かりかけてきました。親戚中に変わり者と言われていると、はるちゃんに言われて顔を曇らせる理由はこれですね。はるちゃんの高学歴から推しても、「そういう家系」の一員だったんですね。彼の苦しみは、単なる失敗したことへの挫折感、ではないんですね。

真柴ママの、失敗から何度でも立ち上がれ、という言葉に、顔色をあまり変えないけど心を動かされている駿くん。次回は何かが変わる予感。それにしても、駿くんの明るさや微笑みが、多くは本心を隠す仮面だとじわじわ伝わってくる神業の演技。「すごい、横浜流星その若さで。天才かよ!」というのが我が家での統一見解です。

というわけで、早くも次が見たくてなりません。

今日はここまで

では