エッセイ>好きなものは人それぞれの話

以前から、人が好きになる物はそれぞれだと言い続けてきました。運動については、人間それぞれの心身の特性で適した運動が違ってくる、という話も詳しめに書きました。

食べ物の好き嫌いも、私の子供の頃は「偏食は甘え」の思想の元に、学校給食で完食を強制されていましたが、アレルギーや代謝の個人差への周知の進んだ昨今では、子供に無理強いさせることが減りつつあるようです。良かった。

さて、本題。

好き嫌いを判断するのは、それぞれの脳です。ここにどれだけの個人差があるものなのか、以前から好奇心を感じていたのですが、最近ネットで、認識特性のテストを見つけたので早速やってみました。結果は以下の通り。グレーゾーンが標準で、外側がそれより優れているエリア、内側が劣っているエリアです。

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私のやったのはこれです

本田35式認知特定テスト

https://overpass.dokkoisho.com/cognitive/

ひどい偏りです。どの項目も、標準ゾーンより著しく高いレベルか、著しく低いレベルか、どっちかです。「こんな感じだろう」と予測していたものの、余りに極端で驚きました。因みに一緒にテストした娘は、全ての項目がグレーの範疇に収まりました。高周波が最小出力まで聴こえる「聞こえ過ぎ」の私が「聴覚&音」がゼロってどういう事?と娘は不思議がっていましたが、電話の相手が名乗らない限り誰か分からない、相手の言葉を復唱しづらい、緊急車両のサイレンが遠ざかっているか近づいているか分からない、と言ったら驚きつつも納得してくれました。あくまで「認識特性」のテストなのです。

電話が苦手な理由も、映画やドラマ等の映像作品が好きな理由も、一目瞭然です。時々、好きな映画の脳内上映会をすると言うと、それが「モノの例え」だと思う人がいるらしいです。こちらは、むしろそんな事はすべての人がやっているとばかり思っていたら、そうじゃないと知った驚愕を何としよう、という気持ちです。

こうやって可視化すると、人間にはそれぞれ理解不能になりそうなほど認識世界に個性があることが、言葉のアヤではなく数字で分かりそうです。私とは別のところが尖っている人の話も聞いてみたいと思います。

人間の心身の特性を可視化する技術は、日本ではあまり発生&発達&流行していない印象があります。16性格分類も、ストレングスファインダーも、一部でしか流行りませんね。「面白い、やってみよう」と私などは思うのですが、たまたま好奇心が強いから、なんでしょうか。

日本は人種的に均一社会なので、すべての構成員を同調させ、どうしてもはみ出した者を排除する、という方法でやって来て、今までは問題なかったせいかと推測しています。SNSをざっと眺めると、はみ出すまいと心をすり減らしている人も、挙句に人間関係を断捨離せざるを得ない人も少なくないように思います。金子みすゞがせっかく「みんな違って、みんないい」というフレーズを、世紀の大発明してくれたのに、世の中はなかなか、ね。

それぞれは違っています。善悪美醜無関係に。それぞれが最も輝く「自分らしい」生き方も、それぞれ違うはずです。その当たり前のことが当たり前として浸透して、すべての人を更なる幸せに導く未来を祈って。

今日はここまで

では

 

PS.

今夜は「#着飾る恋」の第7話です。恋のライバルが現れて、また一波乱ありそうな予感。楽しみです。