ドラマ「#着飾る恋」第9話

第9話見ました。第8話のラストで、切ないすれ違いがあったから、それが後を引くかと思いきや、まさかの土下座と貢ぎ物のサンドイッチで仲直り。ほっとしました。シャチ社長の「どうして来なかった」の一言、駿くんも凍りついたし、私も固まりました。本気で怒らすと怖い相手なんですね、シャチだけに。あれで駿くんが心から反省したのなら、社長グッジョブです。

でも、とんでもないトラブルがその後起こります。盗作疑惑ですか。ネット時代に突入してから、この手の騒ぎが前より大きくなりました。広まるのも早くて、収集の付け方の見当もつきません。真柴さんが気の毒で見ていられません。会社は利益を追求する組織だから、このままだと真柴さんを切り捨てることもあり得るのでしょう。

その騒動の中、駿くんは、悪い人じゃないのは分かるんですが、それでもなお以前の店で従業員が全員辞めてしまった理由が分かってしまいました。一言で言えば独善的なのですね。それで懲りて、人を遣う時には相手を信じて任せた方がいいと教訓を得たはずなのに、好きな女の子に対してやっぱり押し付けがましいのはいただけません。そう言えば、最初の出会いの時からずっとそうでした。多分それは彼の心の癖みたいなものなのでしょう。でもね、「あなたの為を思って」なんて、毒親の常套句だから。

河原での噛み合わない会話。駿くんからの実質的な別れ話と解釈できてしまいます。そんなつもりはなくても。逃げるなと言われても、駿くんが逃げた時より、真柴さんの今の状態の方が深刻だと思います。駿くんの時は、本質的な料理の腕を否定された訳ではないけれど、真柴さんは広報としての根っこが奪われたのだから、全然違います。存在の危機です。違う状況を同じだと言いなすのは、私の嫌悪する「文学的説教」の典型ですな。

こんな風に、好き合ってる同士はすれ違って別れていくのかも知れません。引き合うも縁、別れるも縁。仕方ないですね、私が真柴さんの肉親や親友だったら、「別れるのも選択肢に入れてみたら」と言います。未来のどこかで心から笑えたら、それでいい。その「いつか」を「今」始める決意をしたなら応援するよ、と。

ところで羽瀬さんが、支援してくれるはずだったイベント会社からいきなり切られたのは、真柴さんの巻き込まれた盗作スキャンダルの煽りでしょう。才能なし、と判断された時の対応ではないと思います。イメージが大事な商売は、リスクが高いものなのですね。羽瀬さん、辛いだろうに淡々と受け止めているのが立派だと思います。そんな羽瀬さんを支えたいと私も心から思います。でもはるちゃん、結婚は慈善事業じゃないから、今の話のタイミングでそれはないわ。

これで、万が一真柴さんの汚名が雪がれたら、憶測をもって真柴さんや羽瀬さんを迫害したやつら、どうしてくれよう。アカウントを調べまくって身元を(以下自粛)

他人を悪く言わない、優れた人を真っ直ぐに認める、粛々と努力する・・・真柴さんみたいないい子がこんな目にあわされるのは本当に理不尽だと思います。でも、こういうこと、現実にいくらでもありますね。

大好きな師範が汚い誹謗中傷されてる時に、ちゃんと迫害者と戦えなかった悔しさが、こういう物語に強く反応してしまう理由になっています。芸能人のファンだと、推しを守りたいのに、推しから誹謗する人たちと同一視されてる気もしてなかなか辛いものがありました。

炎上もイジメも原因やきっかけはどうあれ「やったやつが悪い」です。そこは譲れません。

数をたのんで匿名のネットイジメをやった事のある人たちがこのドラマの回を見ていたら、自分のやった事に罪悪感を感じて、今後やらなくなるでしょうか。私は、何も変わらないと思います。

ずいぶん前ですが、仕事が途切れた平日に昼ドラマを見ていた時のこと。お話は、美貌で性格の良いヒロインが周囲の人(特に女)から迫害される、というシンデレラ系物語でした。迫害者たちに強い既視感があったので、隣の元夫に「これ見ている人たちは、自分たちと同じ性質の人が醜い悪者として描かれるのに気分を害したりしないのかな」と聞いてみました。この手の問題には賢い元夫は、「仮に自分とそっくりの人が出てきても、自分に似てると認識しないから何とも思わないでしょう」と答えました。ふうん、そんなもんですか。自分のことは見えなくても、徒党を組んでいたら同調している人たちの美しくない姿が見えるはずなのに、「人の振り見て我が振り」を直す事もないって、どういう事なのかなあ・・・。元夫の「人が自分と同じだと思うのやめたら?」で話は終了。未だに、物語と現実のある種の反転の理由が分からないでいます。

でも、現実と反転した物語がそこそこの高視聴率を上げている現象が、これらの迫害が無くならないことを逆に予言している気がしてなりません。

さて、誰かを大切に思うことは、必ずしも恋や結婚ではないと思うのです。仕事(夢)と恋(結婚)は、両立が不可能なこともあるかも知れません。自分の頭で考えて、自分で選んで決めて、覚悟をもって自分の人生を引き受ければ、とりあえず死ぬ時にひどい後悔はないと思います。そんな訳で、それぞれの人たちがどんな選択をするか、次週最終回、心して見ようと思います。

今日はここまで

では