2006-04-06から1日間の記事一覧

詩~『ありがとうのうた』

「ありがとう」の中でも 一番大きな「ありがとう」 それは大切に思ってもらえた 感謝の言葉 私には、私が一番たいせつ あなたには、あなたが一番たいせつ あいつには、あいつが一番たいせつ あの子には、あの子が一番たいせつ それが当たり前で それが基本で…

詩~『グレートジャーニー』

人類が こんなにもこの星の 隅々まで散らばっているのは バベルの建設に 失敗したからじゃない ここじゃないどこか 今じゃないいつか 自分じゃない何か そんなものを 目指すように 仕組まれていたからなんだ ちっぽけ草花ですら 地下茎を張りめぐらし 精いっ…

詩~『ダチョウ』

散歩してたら サバンナに出た。 生意気なダチョウと 立ち話をした。 「鳥のくせに 飛べないなんて」 「お前だって、人間のくせに 泣けないじゃないか」 「…人のいないところで 泣くのさ」 「俺だって、人のいないところで 飛ぶのさ」 僕たちは若過ぎて ダチ…

詩~『秘密』

自分一人だけの秘密 心臓の上の小石。 好きな人とだけ共有する秘密 甘い香りの毒薬。 すべての人に共有される秘密 がんじがらめの蜘蛛の巣。 あなたは 地上に現れた 最も美しいオス ただ いのちを謳歌したい その一心で せいいっぱい広げた 見えないハネのせ…

詩~『ソロ』

すべては移り変わって 一時も留まっているものはないから 僕達はいま 自分の時の独り舞台に立っている 僕達はやってきて そして。 僕達が 昨日と今日の自分が どれだけ変わっているか わからないようにできているのは 生き物を作った誰かの 優しさだろう 生…

詩~『春』

ねこは縁側で 百万年前と同じように ひなたぼっこをしている ねこやなぎは庭で 百万年目の 夢を見ている いつまでも続く春の うららかなひざしに まどろみと うつつとの境界線を 行ったり来たり うつら…うつら… この世には 私と 春と ねこと ねこやなぎしか …

詩~『楽園へ行こう』

南の島へ行こう 海を越え楽園に行こう いろとりどりの花が 咲き乱れ 垂直にさす日光を 体中でうけとめて 酸素を吐き出す 天国と地続きの場所 南の島へ行こう いつも 何かしないではいられない そんなあなたなら いっそ何もしないで 太陽と雲のシンフォニーを…

詩~『恋』

恋------何ほどの価値があろう 感情の鉄格子に囚われて むなしくあがく身であれば 手を差しのべる 景色のように きらきらとせつなく光る ああ、あれに手が届けば いっそ死んでも構わないと 恋------何ほどの価値があろう 聞けば死すら乗り越える 情熱ともな…

詩~『タンポポの酒』

私はつくる 日だまりのタンポポを 太陽の光から とりわけ金色の束を漉しとり さくさくと 小さなこよりにして 私はつくる タンポポから火の酒を 金色の花弁から 金色の液体を絞り出す 念入りに仕込んだら 月日が熟成してくれるのを 膝の上に黄ばんだ本をのせ…

詩~『ゆめみていたことは』

ゆめみていたことは ちからをかんじたにんげんが いちどはのぞんだことで だれもかなえたものがいない どんなにうつくしくても どんなにかしこくても どんなとくべつなちからをもっていようと そういうことだと しったから このごにおよんで いいたいことは …