「男と女はどこが違うんですか?」06/08/20 長谷川眞理子さん

私の希望が通ったわけではないと思うけれど、家庭や男性と女性をテーマにしたゲストの方がいいタイミングで続いていると思う。日本が現在少子化問題に悩んでいる事情もあって、この問題の重さは日に日に増してきているような気がする。岡田くんも、かなり真剣にこの問題については考えているようで、とても好感が持てる。若い男性は、だいたいこういう問題についてはおちゃらけた態度をとりがちだから。きっとあまり男性には触れたくないことがこの問題の中に隠れているんじゃないかと思う。

番組サイトでは、前半の部分をざっくりと割愛されていたけれど、男性と女性というのは、遺伝子の戦略の両極端だったのか! これ、私としてはかなり「オセロの決め手」みたいな一手だった。あー、楽しい。それでいけば、違って当たり前、違うから両方ともいい! という理論をもっと補強できる。ビバ!動物学。

しかし、問題は、人間の行動学に絞った後半部分だ。殺人と性別の図式を知った時の岡田くんは、ずいぶんショックを受けていた。男性の方が多く犯罪を犯すのは、刑務所に服役している人の人数を調べれば、一目瞭然。男性の方が圧倒的に腕力が強いわけだし、社会的なシーンにより近くにいるわけだから、それは仕方がないことだろう。私はそういう風に受け止めていたけれど、問題はそれだけではなかった。殺人に限って言えば、男性が男性を、男性が女性を、女性が男性を、殺してしまうケースのそれぞれの動機を知らされると、やっぱり「男って……」となってしまう。うーん。たぶん、今の社会とか世界情勢って、生物学的にも過渡期にあって、それぞれがすごくアンバランスなものを抱えて苦しんで生きているんだと思う。それも、数百年くらい続いている過渡期として。
つまりは、人類のメスとしては、腕力の強いオスを伴侶として選ぶことに、何か抵抗を感じるようになってきたこととか。もちろん、健康でない個体は困るんだろうけど、人類の本懐は知性にあるわけで……うーん、難しい。

まあ、私の世界で、人類のオス・ナンバーワンたる岡田くんが、「器量」と何度か繰り返すからには、それがキーワードになっていくということなんだろう。

例によってとりとめないけど、ここまで。