『ゲド戦記』全国キャンペーン

今、直前ブログや監督日誌では、監督やプロデューサーや声の出演者の方たちの、キャンペーンの模様が書かれている。表現することについては集中力もあり得意でも、こっちは苦手……なんて人も案外多いかも知れない。でも、受け手のこっちとしては、とても楽しみな時期である。趣向を凝らした広報の数々をいろんな場面で見て、いろいろ想像を広げるのも映画の楽しみのひとつだ。ジブリのホームページが楽しかったので、7/29が待ち遠しくてならない。

以前、ラジオ番組『GROWING REED』で、鈴木プロデューサーがゲストにいらした時……これが縁で、岡田くんが『ゲド戦記』のアレンの声に抜擢された……本当に一人でも多くの人に映画を見て欲しいから、全国まわって一生懸命キャンペーンをするのだ、と語ってらした。それを受けて、岡田くんが『僕は何がいけなかったんだろうなあ』と、またまたファンの語り草になるような失言を(笑)。
今回、ジブリのキャンペーンを見てて思ったのだけど、人嫌いの私でも、なぜだか『あなたにこそ見て欲しい』と、直接語りかけられているような気持ちにさせられるところがある。変な話だけど、観客として平行な目線で認めてもらえている、とでもいう感じ。歌が印象的なのが私の場合大きいかも知れないけれど、はっきりした理由は自分でもよくわからない。それに対して、申し訳ないけど、『見て欲しい』というキャンペーンを張っているのにも関わらず、それは私以外の別の人に言っていて、従って私には『来ないで欲しい』と言っているように聞こえるものも数多くある。そのひとつに、見る人間のカテゴリーをつい限定して言ってしまうのは、戦略としてとてもまずいと思うのだ。カテゴリーとは、社会でのポジションと、その人のキャラクターの両方についてだ。『自分は輪の中にいない』と感じるのは現代の病であり、そのためにこそ祭りとしてのエンタテイメントがどうしても必要な時代なんだな、と思う。くしくも、『ゲド戦記』の世界観も、人々のその「ばらばら」がベースだ。

例によってまたまとまりがなくなってきた。今日はこのあたりで。