『ゲド戦記』のアフレコがいい感じに

ゲド戦記』のブログ、毎日楽しく拝見している。生き生きとした製作日記。岡田くんの、王子アレンの声のアフレコ、既に半分が終わった、というニュースも読んだ。テストの声が良くて、そのまま採用されることもあった、とか。監督のお褒めの言葉ひとつひとつに、自分が褒められたように照れてしまった。

岡田くんのお仕事の中で、初めてご家族から認められたという『ゲド戦記』。第三者が言うと、嫌味に聞こえてしまう。だけど、それくらい大変なことなんだとは思う。たぶん、全世界の注目度ということで言えば、過去最高のお仕事だと思うから。原作者のル・グウィンアメリカ人だから、原作も英語で書かれている。だけど、この世界観の広大さは、やっぱり星ひとつ分ほどもあると思う。

ゲド戦記の巻頭にあるアースシーの世界地図を見ていると、どうしても「ドラゴン・クエスト」や「ファイナル・ファンタジー」のワールドマップを連想してしまう。地球とは違う、世界地図。これは、ル・グウィンの発明品だったのか。なんて自由で素晴らしい発明だろう。そして、そのどちらのゲームも、ベースとなる世界観は「壊れかけている世界を、魔力や剣の力を持った勇者たちが救う」というものだ。これは明らかに『ゲド戦記』の影響を受けている。秘密のダンジョンも登場するところを見ると、これは間違いないだろう。世界は、やっぱり壊れかけている。目を持った生物が現れて、初めて電磁波を視覚情報として捕らえたように、自我意識を持った人間があらわれて、初めて世界の崩壊は知覚されたのかもしれない。

岡田くんを抜擢するクリエーターの多くは、直感的に、彼の中に『死と再生』の物語を見出すのだ、と書いたことがあるけれど、実際、それは私も強く感じる。岡田くんはまさにその『力』によって、ファンタジーの勇者たちのように、壊れかけた世界を救うために生まれてきたんだと思う。絶対に素晴らしい作品になる。期待して待っている。