『おカネのこと教えてください!』06/02/19 森永卓郎さん

岡田くんが最初に主演したドラマ『D×D』では、大阪生まれでお金に細かい、虎之助という役だった。
もちろん、素の岡田くんがお金に細かいとは限らない・・・・・・と思ったけれど、標準よりは細かい気がする(笑)。
お金、欲しくなっちゃうんですけど・・・・・・なんて可愛く言われると弱いな、おかーさんは。
ところで、うちは両親が仲悪くて、小さい頃、ひょっとして離婚しちゃうかも、という局面もあった。
そんな事情もあって、お金がなくなって飢えることに対しては、小さい頃から恐怖心が強かったと思う。
未だにそうかな。
今の日本人の「おカネ感」も、この種の「恐怖心」「不安感」がベースになっている人が多い感じがしてならない。
もともと、けっこう悲観的に物を考える人が多い国民性で、貯蓄率も高い。
キリスト教的な道徳のベースもないのに、そこに一気にアメリカ式の弱肉強食を持ち込んだら、そうとうすごいことになる気がする。

先生は、今の成金の人たちは、日本の伝統的お金持ちの社会貢献の意識もなく、その上威張っている、品がない、と言われる。
やっぱり、力を持っている人間が、調和的に生きるのには、それなりの土台が必要ってこと、だろうか。
先生が知るお金持ちの人たちで、幸せそうな人が一人もいない、という話は考えさせられる。
確かに、お金は欲しいだけあれば十分だと思う。
だけど、欲望は尽きることがないし、欲望自体、生きる活力と繋がっているので、むやみに否定するわけにもいかない。
今、娘をダンス留学させるための資金の貯金をはじめた。
一ヶ月留学させるのに、二年分の大学の学資くらいかかる。
でも、どうしても行かせたいので、貯めるのはそれ自体楽しくもある。
それまでは、娘を大学に入れるための諸費用を捻出するのが、お金を作る原動力だった。
そうなると不思議なことに、質の高い仕事が舞い込んだ。謎だ。
それが終わったら、やっぱり欲が芽生えた。
今、おかげで充実しているので、先生の「海水のたとえ話」のような飢えを感じない程度に貪欲でいたい、と思う。
あと、好きな映画や音楽や本が手に入れられて、娘とまったり過ごす時間があれば、パーフェクト。

お金に魂まで縛られない、そんな暮らしを全うしたい、と思う。
お金が動くことでお金をうむ人があらわれる・・・・・・やっぱり何か怖さを感じてしまう。