好きなことをやり続けること

昨日まで五日間、北海道に行ってきました。目指すは根室、チャシ群。名城100選の中で最も過酷と言われる道のりを、とうとう制覇しました。2年ぶりの城巡りとあって感慨深いものがあります。もうブランク開き過ぎて、城熱も冷めてしまったかと自分を疑っていましたが、完全復活ですわ。

やりたいのに諦めるのは人生に良くないっていうのは、私が若い頃に掴んだ大切な教訓です。だから、娘にも「やりたいことは、どんなに細々とでもいいから切らさずに続けなさい」と幼い頃から言い聞かせてきました。この「細々とでも」というところがミソです。それまでの太いやり方ができなくなった時に、切ってしまって後で悔やむパターンはあるあるですから。

という訳で、「オールドルーキー」すごく面白いです。(横浜さんのサプライズゲスト、びっくりしました)第一線にいられなくなった人のセカンドキャリアは、どうあるべきかという話ですね。ドラマに対して、現役やOBのサッカー選手のツイートがたくさん寄せられていて、それぞれの思うところを述べられていたのも興味深く拝見しました。こういうところはSNS時代の良いところだと思います。

本当を言うと、私も死ぬまで働くことを目指しながら、雇用される形でそれは無理なんだと、スタート時ではわかっていませんでした。単なる想像力不足です。スポーツ選手の限界点はもっと早くに来るのも、頭では理解できても、想像の及ばないところでした。そもそも、スポーツをまったく見ないので。ついこの間、仕事場で「オオタニって、誰ですか?」って言って、凍りつかれたばっかりです。もうこれからは何でも、人に聞かずにググろうと心に誓いました。それくらいスポーツ音痴なので、アスリートの気持ちには今ひとつ感情移入できないでいました。でも、綾野剛さんのすごいところで、不本意な引退に追い込まれるアスリートの気持ちに、自然に感情移入してしまって切なくなりました。新町さんが「細々とでも」サッカーをしながら生きていける人生を希望!

さて、スポーツ選手以上に、続けていくことに予測できない障害があるのが芸能関係だと思います。「流浪の月」の監督と横浜さんのティーチインを拝見しました。何だか、いつもより本音がこぼれてませんでしたか? 自分の代わりはいくらでもいる、人気はもって後10年って。確かに、過去に青春スターとして人気があっても、いつしかいなくなってしまった人はたくさんいました。その世界の真ん中にいる横浜さんの、偽らざる危機感なのでしょう。

師範の沼にハマることがなければ私も、芸能人のそんな事情も特に突き詰めて考えることはなかったはずです。16歳の師範に出会った時に、私もその危機感に捕まって(何しろアイドルだったし)、本物のキャリアを祈って「悪役を」「美形じゃない役を」とブログにせっせと書きました。吉川英治の「宮本武蔵」の台詞を借りて言うと、「岡田准一の人生を想うことなく、岡田准一を想うことができない」までに沼に落ちたのですね。師範が不動の師範になって、やっと最近こちらも楽になれました。師範の生涯の代表作になる作品(推定50代)も、たぶん生きて見届けられると思うのです。ありがたい事だし、幸せな事だと思っています。

もうそんな気持ちになることは2度とないと思ってました。第一、身がもちませんもの。でも、困りましたね。横浜さんの人生を想ってしまいそう。渋かっこよくなった男盛りの横浜さんも、横浜さんの代表作も、生きて見られないかも知れないのに、実に無防備にはまってしまったものです。

「流浪の月」の亮は、俳優としてのキャリアの中で初めての汚れ役だと思います。言葉を失うほどの名演でした。横浜さんに恋をしていたファンがショックを受けるのは仕方がありません。3万人フォロワーが減った、って人数を把握してらっしゃったんですか。すごい人数に見えるけど、母数が大きいから。実質1パーセント減に留まったのは、評価に値すると思います。ファンについての評価です。横浜さんはもっと誇って良いと思いますよ。

ただ、私の勘が正しければ、映画好きな人たちの脳内で、確実に横浜さんの格付けは上がったはずです。抜群のビジュアルをしている俳優は、同時に偏見も持たれやすい傾向がありますが、それを今回の挑戦で打ち破ったから。これは数字ではなかなか表れにくいですが、じわじわ形になっていきます。「本物になりたい」という願いのもとに覚悟を決めて挑んだ難役。想像以上の成果になるでしょう。

長々と書きましたが、どうか思った通りに進まれますように。そして、それが輝く場所に続く道でありますように。祈ってます。FC入ります(コソッ)

では