ドラマ「DCU」〜なぜ人は走るか

長らく感想を途切らせてしまって、心苦しい限りです。仕事が当初の契約からひっくり返り、祝日休みも無しになったのに加え、確定申告の時期にもぶち当たってしまったせいです。特に確定申告などは、今年は還付金もないのに、作業量だけは例年通りという罰ゲーム的な物に成り下がり、モチベーションの低下を食い止められません。

そういう時でも、推しを始めとするドラマ・映画が心の支えとなる人体の神秘。特に日曜日は夜8時の「鎌倉殿の13人」からの「DCU」「真犯人フラグ」と豪華3本立てです。そろそろ最終回が近いのでロスも心配ですが、その分集中して見ようと思います。

さて「DCU」です。事件が起こる→水に潜ったり地上捜査したりして証拠を集める→解析・推理→犯人逮捕・解決。この流れは踏まえつつ、背景にもっと大きなものが潜んでることを毎回暗示して来ますね。特に国際テロなんて、戦争が始まってしまった今は、ひりひりした危機感を伴う現実味を感じます。皮肉なくらいタイムリーな物語でした。

先日書いた、警察や自衛隊海上保安庁の、一般人にはなかなか目に触れない国防と治安維持への取り組みも、またより一層現実味を増して感じられます。どんなに技術が進歩しても、最後にものを言うのは、携わる人たちの鍛え抜かれた身体と精神力だと、この頃痛感しています。頭が下がります。その点での水のスペシャリストの特殊性もわかって来ました。特に、心肺能力。

以前、海保の方のツイートで「海保に阿部寛横浜流星のようなイケメンはいません」なんてのがあって笑えました。でも近所ということもあって、何度かお見かけしましたが、イケメン、と言う言葉でくくれない美しさは感じましたよ? 皆さん、心身を作り上げて、そこで従事されているのだから。DCUのメンバーは身体能力が高くて、その点でもリアリティ感じて楽しいです。

特に、「#シロクロ」や「チア男子!!」や「#きみのめ」で、横浜さんが半端ない身体能力の持ち主だとは知っていたつもりですが、よりシンプルな「走る」が、見ていてここまで快感なんて。それ以前に、家宅捜索中にひょいっと押入れの中段に乗る動作とか、見るたびその軽やかさが快感でした。走りは、特に素晴らしいと思うのです。速い、というだけではなく、美しいですよね。これはどうしたことでしょう。何かが普通じゃないのに、それが何なのか言語化できないと、好奇心が発動します。プロのインストラクターの娘に聞くと、体幹が強靭だと、動きのノイズがなくなって締まった印象を与える、のだそうです。かつ、関節の可動域が極めて広いことを始めとする全身の優れた筋バランスが、動きにバネ、柔らかさ、なめらかさをもたらす、と。つまり、鍛錬の賜物、ってことですね?

人が走るシーンは、日常では街ランナーぐらい。目的のものを目指して疾走するなんてシーンには滅多に出会えません。映像作品だと、必死さが言葉じゃなく身体で表現できるシーンとなります。若い瀬能くんに全力疾走はとても似合っていますが、その延長線上には50代とは思えないほど高いレベルにある新名さんがいるのですね。新名さんのちょっと微笑んで瀬能くんを見ている目は、かつての自分を見ている気持ちなのかな、と想像してしまいます。瀬能くんは、全力なのは良いのですが、後先構わない短絡的で感情的なのが弱点でもあります。長所の裏面ですね。若かりし頃の、成合さんと真子さんを取り合っていた新名さんと通じるものを感じます。上層部に煙たがれているところを見ると、若い頃にずいぶんやらかした気もしますね。これで実力がなかったらとっくに閑職にまわされていたでしょう。そんな似た者同士の2人の組み合わせで、どんな化学反応が最後に訪れるでしょうか。瀬能くんは確実に成長するでしょう。でも新名さんは? そして、成合さんは? 私は、成合さんが独自の潜入操作をしていた、に1票。最終回の大団円に1票。

 

さて、そうこうしている内に5月の「流浪の月」の番宣もちらほら流れてくるようになりました。DVシーンがあるらしいと聞いたので、予防のために今回は原作を先に読んでみました。文字だけでも既視感おぼえたほどなので、映像を見るのが怖いです。「愛を乞う人」の虐待シーンや、「ある朝スウプは」のお金をむしり取られるシーンで、フラッシュバックからの発作を起こした前科があるので。でも、がんばる! この役を、他でもない横浜さんが体当たりで演じられたのだから。番宣、楽しみにしています。

では