ドラマ「DCU」2話までの感想

遅くなりました。

私の場合、横浜流星さんが出演している映画・ドラマは「見る」の一択ですが、仮に出演されていなくても、見ることになっていたと思います。「DCU」。水の世界をこんな風に描くドラマは、記憶する限り初めてではないでしょうか。海難救助をメインにしている「海猿」とも違います。謎があり、それを水から拾い出す流れは良いですね。水はこんなに物事を隠してしまうのを初めて知りました。

同時に若い瀬能くんの成長も見所のひとつです。瀬能くんは、幼少時の船の爆破事故によって記憶を一部無くして、それがフラッシュバックして水恐怖症を発症した、ということでした。でも、それ以前に彼は事故のショックにも関わらず、長じて有能なダイバーになりました。これについては思い出す事があります。

「記憶を消す子供たち」なる書籍に、幼少期に溺れる体験をして有名なダイバーになった人のエピソードが出てきます。この本自体はトンデモ本という評価もあるので、これが信用に足る情報とは言い切れません。ただ、記憶を無くすほどの衝撃的な事に、無意識に生涯こだわり続けるとしたら、それは人間の防御システムとして合理的だと思いました。恐怖刺激があった時、生物は闘争か逃走の2択をしますが、戦う事を選択した、ということなんですね。窮鼠は猫を噛んだわけですね。

私も水が苦手なまま歳をとってしまいましたが、なんだかんだ言って、過呼吸起こしそうになりながら、「ポセイドン」やら「アビス」やら「海猿」やら選んで見てますもん。瀬能くんがPTSDの発作を起こすたびに(横浜さん、リアル過ぎ)、こちらでも過呼吸起こしかけてしんどいですが、頑張ります! こんな心理も窮鼠の悪あがきのひとつかも知れません。

瀬能くんの水との闘いは、そのまま彼の大人への成長のプロセスでもあるようです。記憶を取り戻す、と言うと、「私たちはどうかしている」の椿くんを連想します。

あの時「一番悪いのは、6歳の子供、しかも父親の殺害死体と直面した子の証言を鵜呑みにした警察だ」と思いました。子供の認知が大人の誘導で歪みまくるのは、心理実験で広く知られていることなので、捜査のプロの警察がそんなミスをするとも思えません。

ただ、子供は大人が受けやすいバイアスからは逆に自由で、見たまま、聞いたままを正確に記憶している面もあります。そこに「解釈」を入れない限りは。椿くんが記憶をたどって真実を見つけたように、瀬能くんの記憶をたどる謎解きも、興味深く思います。どうなるんでしょう。わくわく。

新名さんは治療を受けろと勧めるのですが、PTSDの治療って具体的にどうやるんでしょう。今日の医療技術では、心の傷は治るし克服できる、ということでしょうか。興味あります。

新名さんは、とんでもない俺様キャラかと思ったら、人間それぞれも全体のこともよく見えてるリーダーの中のリーダーではないですか。「エベレスト 神々の山嶺」の羽生さんを思い出します。有能すぎる上、目標達成のパッションが極めて強いせいで、他の人たちを完全に置き去りにするところとか、特に。いざとなれば決して自己中心的な人ではないのがわかるのですが、他人にどう思われるか頓着しないので誤解されまくるとことか。孤高の新名隊長が仲間の信頼を獲得するプロセスも楽しみのひとつです。

2話目が、急展開を思わせる事件で終わりました。今夜、その続きが楽しみです。

ではまた