『仕事ができる極意って何だろう?』 05/05/22 野口悠紀雄さん

-5/22放送
野口悠紀雄さん
テーマ:「仕事ができる極意って何だろう?」
人間は時間のことはよく覚えている、というのは、言われてみるとけっこう当たっている。例えば、このホームページも7年を過ぎたけれど、過去に書いた覚えのある文を探そうと思って、「岡田くんが20歳の時だったから……」などと決め手になることを思い出して、それを手がかりに探すと割とあっさり見つかる。確かに、言われてみると、テーマ別に分類していたら、逆に手間どる気がする。でも、人間のその性質も案外気が付かないものだし、ましてや、それをシステム化するなんて、なかなか思い付かないことだ。そういうところが、知の巨人の普通の人とは異なる部分なのだなあ、とお話をうかがって強く感じた。岡田くん、本当に楽しそうだった。
学問や仕事のシステム化の本というのは、はまるとなかなか楽しい。「知的生産の技術」当たりが古典だろうか。もちろん、それを実践してみて、うまくいくとますます楽しい。文房具が好きになったりする。途中、岡田くんがスタッフの調べたブックリストを時系列で聞くと、その時代の空気がリアルに思い出された。読んだ本は少なかったけれど、それらの本は、その時々の人々のこころの色を反映していた、と思う。
ところで、英語の勉強法を始め、人間の学習にまつわるいろいろなアドバイス、娘と二人で聞いててたいへん参考になった。娘が受験勉強のヒントになった、やる気が出てきた、と言っている。「学ぶ」は、「まねる」が語源なんだそうだ。詰め込みが正しい方法だというのは、本当にその通りだ。その意味で素直さのない人は学習能力が低いとも。ただし、従来の「詰め込み」のイメージは、子供を暴力と怒声で脅して勉強に追い立てるようなものだったから、その効用と一緒に否定されてきたところはあると思う。きちんと、「いかに楽しく詰め込むか」というお話を進めてくださるところはさすが。英語の丸暗記の話は、娘が早速実践している。それから、岡田くんが最後に言っていた、英会話をマスターする一番の早道は、カップルで外国旅行すること、とあったけど、本当にその通りだ。どうしてかというと、男女のカップルで行くのが、一番現地の人から話しかけられる頻度が高いからだ。一人旅の人、団体、親子連れ、男性同士、女性同士……どの旅行者よりカップルは話しかけやすい! 言われてみてはじめて気が付いた。野口先生、すごい人だ。
ところで、岡田くんは、仕事ができる人になりたい、と見た。職業にもいろいろあるから、「仕事ができる」と一口に言ってもいろいろだとは思う。ただ、大きなビジネスを進めていく、という立場に立った時に必要になってくる資質に対して強い興味があると見た。なんだかわくわくする。