『著作権って何ですか?』06/03/26 岩倉正和さん

さて、著作権については、私もいろいろ想いがある。
パソコン点訳を始めた頃に、ひととおり勉強した。
著作物を、点訳データとは言え、コピーが容易な電子データにして、さらにネットで流通させようというのだから、そう簡単なことではなかった。
その難しさに、頭が痛くなったものだ。
あの頃で既に、時代の進歩に従来の法律がついていけないという状態だったので、今だったらもっとそれが深刻になっているだろう、と思っていた。
お話を聞いた限りだと、著作権法も他の法律……例えば建築基準法……と同様、ひとつの条文に対して例外事項があり、その中にまた例外条項があり、という複雑なものになっているようだ。
何重否定になっているんだぁ!と、並みの感覚だったらちゃぶ台をひっくり返したくなるのではなかろうか。
でも、関わる人間の利益を守るのがメインの目的であるところの法律だから、逆にシビアに詰めていかなきゃならないんだと思う。
やっぱり法律家の方らしく、それは財産権のひとつであることを筋道立てて説明されていたところが、とてもわかりやすかった。
それも、奇しくも先生も岡田君も言っていたように、作る人間、売る人間、買う人間のそれぞれの権利がすべてバランスよく守られてこそ成立する、というのが最終的な答えかも知れない。

話は変わるけれど、世の中には律儀な人がいるということを、ホームページをやっていると痛感する。
私の書いたものを転載したいんだけど、いいでしょうか、というメイルをくれる人がいる。
だけど、転載というより、それは「引用」という範疇に入っていて、出展さえ明らかにするなら、相手に「許諾」を得なくてはならないものではなかったりする。
とても恐縮しつつ、それは転載に当たらない、と説明のレスをする。
こんなにラインを厳密に捉えている人もいるのに、一方では不法コピーが横行しているのだから、人間はいろいろだ。
プロの作家で、ネットからネタやフレーズを散々ぱくる人だって今や普通にいるのに。
しかも、パクリ方に愛がない、と来た日にゃ……。
まあ、それは置いといて。

ブロードバンドの発達は、著作権法を作った時点では誰も想像すらしていなかった、というのは確かにそうだろうと思う。
だけど、どうも加速度を増している気もするので、法律を含めた環境整備も大変なことだと思う。
先に行ったときの国力まで影響していくとなれば、無関係ではいられない。
個々人のできることと言えば、ネットマナーの一日も速い確立だろうか、と思う。