ドラマ「前科者」見ました。

映画「前科者」を見る前の予習として、ドラマ「前科者」全6話をAmazon primeで見ました。これ、コミックのドラマ化だったのですね。主人公も絵面も淡い感じなのに、ディープな内容で、視聴後にずいぶん考え込んでしまいました。

日本では、一度前科がつくともうそれだけで生き辛さが増して、それが再犯のきっかけになってしまうようです。世間という名の怪物に勝てる人なんているんでしょうか、ほんと。こんなことは、ずいぶん昔から幾度も言われてきたことですが、物語として見るとますますやるせない気持ちが湧き起こってきます。保護司はその前科者を支える仕事ですが、無償なのを初めて知りました。ボランティアだったのですか? ボランティアしていると言うと、「良い人と思われたがっている」だの「偽善者」だのの誹謗中傷が付き物のこの国で、皆さんどういうきっかけで保護司を志すのでしょう。簡単な仕事でもなさそうなのに。人それぞれにきっかけはあるのでしょうが、有村架純さん演じる主人公のきっかけは、納得いくものがありました。借りたものは返さないと・・・そんな気持ち、でしょうか。

人の性格というのは変えられません。ドラマを見て思ったのですが、犯罪は、よっぽど根っからの悪人でもない限り、その性格と状況が不幸なマッチングをしてしまった時に起こる気がします。大切な物を守る為、とか。その大切な物が、必ずしも他人から見て大切に見えなかったりするので、とても厄介です。

たまに見る悪夢に、犯罪を犯して(たぶん殺人)人生終わったと絶望する、なんてのがあります。目覚めて、ああ夢で良かったとその度に胸を撫で下ろします。あの絶望を現実に味わっている人たちの心は、どんなでしょう。「一線を踏み越えたら、もう戻ってこれない」。ドラマ「最愛」の大輝の言葉を思い出します。

被害者やその家族がいる場合、加害者を一方的に同情するわけにもいきません。でも、罪を犯さずに済んだ世界線を探って、この先に少しでもよりましな世界を作り続ける責任は、生きている大人が等しく負っていると思うのです。

映画「前科者」、森田剛さんと有村架純さんの共演、楽しみです。番宣にも出演されるそうで、そちらは例によって怖いもの見たさで楽しみです。

では