表現者>V6のアクロバット

今年の11月1日に解散の決まったV6ですが、色々なメディアに丁寧に出演してくださるので、長い時間をファンとして過ごしてきた身としても、毎日、静かに感謝の気持ちでいます。

ところが、ここ数日、SnowManのファンの一部の人たちが、歌の特番でV6がSnowManのアクロバットの振りを真似した、とTwitterに書いたことに対して、普段あまり怒ることのないV6ファンが怒りのメッセージをアップしています。トピックに「V6」を指定しているせいで、たくさんタイムラインに流れてくるから何事かと思いました。

「ほんの一部のSnowManファンの書き込みに過剰反応して」というコメントに対抗して、Twitter上の「真似して」というコメントをスクショしたものがアップされましたが、それが思った以上に多い感じは確かに受けました。

それについて私がどう思ったかは表明しません。言いたいのは、次のことです。

SnowManの年齢とデビューのタイミングを考えると、ファンの年齢層はV6のデビュー当時には生まれていなかったか、物心ついていなかった人が過半を占めていると推測できます。V6の身体能力のもの凄さを自分の目で見たことない人は多いでしょう。「真似」という発想はそこから来るのでしょう。「自分は知らないことを知らない」ことによる、世間にあまた転がっている誤謬のひとつに過ぎません。

V6をリアルタイムで見続け、敬愛の気持ちを込めてファン活動をしてきた人にとっては、信じ難い暴言に見えるのも、無理もないし責められません。ただ、その気持ちの余り「アクロバットはV6が始めた」と言うのは、SnowManファンの人たちが犯したのと同じ過ちです。

ジャニーズのユニットでダンスにアクロバットを初めて取り入れたのは、フォーリーブスではないでしょうか。1977年リリースの「ブルドッグ」が、振りにバック転の入った、私が記憶している最初の曲で、リアルタイムで見た時はびっくりしたものです。ただ、この時はアクロバットをするのは1人だけでした。

全員が高度なアクロバットができる最初のユニットは私の記憶する限り、少年隊だと思います。1987年リリースのデビュー曲「仮面舞踏会」をYoutubeで見ると、その凄さが分かります。これをリアルタイムで見ていて、ファンにはならなかったものの、すごい人たちだと感嘆しました。少年隊はダンスのクオリティも非常に高く、ここまでのユニットはもう二度と現れないかも知れない、と語る評論家もいました。素人目だけではなく、業界的にも宝物のような存在だったのだと思います。

少年隊デビューから8年後、1995年にV6はデビューしました。ジャニーズの中でも身体能力が極めて高い人たちが、少年隊の2倍の6人も集められました。少年隊もそうでしたが、姿の美しさ華やかさにも寄りかからず、誠実に真摯に積み重ねて行く方達で、華麗なアクロバットも、楽曲の豊かさも、その人柄あってこそです。

ジャニーズ事務所に所属している人たちは、「売れているのに努力し続ける人たち」だと、外部のクリエイターの方たちに高く評価されていると聞きました。還暦過ぎた者の目から見ると、事務所の黎明期から綿々と受け継がれて来た伝統だと感じます。その中のひとりにある時心を掴まれてファンになれたのは、本当に幸せなことでした。

まとまらなくなって来ましたが、すべての人の、推しと共にある幸せな日々を祈って。

今日はここまで

では