つい最近、久しぶりに宇多田ヒカルさんのホームページに行ってみた。
そういう人がきっと多いと思うけれど、私もあのページの隠れファンなのである。
そうしたら、ビルの搬入口などで発している超音波が、
宇多田さんには聞こえる、というお話が書かれていた。
長年の謎が解けた。あれってネズミ除けだったのか!
聞こえない人がほとんどだけど、それが私に聞こえるのは、
私の頭がおかしいからじゃなかったのか! 聴覚の個人差だったんだ!
ホント、「うぎゃあっ!」と叫びたくなるってところでは、
何度も深くうなづいてしまった。その通りだ。
よおし、これからは私にしか聞こえない音が聞こえて、周囲の人間に不審がられたら、
「これはネズミ除けの超音波で、聞こえる人もいるんですよ。
ヒッキーも聞こえるんですって」って言おう。
私の場合、その聴覚に気付いたのは二十歳ちょっと過ぎた頃で、
決定的になったのは、26くらいの時。
大通りでものすごい音がしているところに元夫と一緒に行き当たって、
「うわっ!」と耳をふさいだのが、元夫にスルーされた。
同じに聞こえてあれに耐えられる人間がいるはずがない。
つまりは、私以外の人間には聞こえていないのだ、と。
出産前後が一番、その聴覚がひどくて
……出産前後は、視覚以外のすべての感覚が研ぎすまされて、世界がとても攻撃的に感じた。……
40代の今でも20代の頃と変わらず聞こえる。
耳鳴りの原因にもなるし、
夫が、私が犬の吠え声が嫌いなのも、声に高周波が混ざっているせいじゃないか、と言う。
音から受けるダメージが強くて、良いことないな、と思っていたけど、
こういう人は音楽から快感を得る度合いが強いのでは、という
宇多田さんのコメントを読んで、ちょっと気を良くしている。
思えば、子供の頃、ステレオにへばりついてレコードを……クラシックがほとんどだった……
日がな一日聴いている私に、「変な子だ」と家族はよく言ったものだ。
音楽聴いて涙をこぼそうものなら、完全に気違い扱いだ。
だけど、言われてみると確かに、その時間には快楽がぎっしり詰まっていた。
人間それぞれ、違う感覚世界を生きているのかなぁ。
しかし、感覚の差は、なかなか共通の理解を得られないものだ。
まあだからこそ、表現があり、芸術があるのだとも言えるけど。