「不倫」について その2

さてさて。

一昨日書いたものが、自分でも、まとまっていないなー、と思えたので、ざっとまとめてみると、

一口に「不倫」とされているものも、実態はたぶん様々で、中には不倫の事実がないにも関わらず、それを証明できないものがある、ということが言いたかった。

これは一般論じゃなくて、自分の苦い経験からだ。

噂する人は大抵、自分が信じたいことを信じるようだ。

本当のところはどうかなんて、たぶんどうでもいいんだろう。

「ない」ことの証明はいわゆる「悪魔の証明」で、非常に困難になる。

「否定しないってことは、肯定なのね」という理不尽な言いがかりもまかり通る。


ところで、ふっと気がついたけど、今、スキャンダルの元になっているLINEのログだけど・・・それって、会話の「全文」だろうか?

ひょっとして、全部読むと、かなり受ける印象が違うのでは?

文春をはじめとするゴシップ誌のやり方として、情報の一部を隠すことによって、読者に勝手に物語を描かせる、という常套手段がある。

私の大好きな女性の作家さんが、別れた元旦那のブログ公開の記事で、ひどい妻だったような印象を作られていたが、私は、「そんなはずはない」と思い、閉鎖されていた元旦那のブログをキャッシュで全文ダウンロードしてみた。

ちなみに、それらは全部、何かあった時の武器としてクラウドに保存してある。

本人には何も言わない。たぶん私のことも知らないし。私が誰かを好きだというのは、いつもそういうことだ。

案の定、記事はかなり途中を省かれて嫌らしい編集をされていた。暗い意図を感じた。

これが文春のやり方なんだと思う。

そんなものに乗せられて、暴徒と化した群衆の一人になるなんざ、まっぴらだ。


「不倫」て、なんでいけないのかな?  と誰かに訊くとする。

「それは、私の考えるところでは・・・」と、筋道立った、体系的な理由を述べてくれる人は、まずほとんどいない。

「えーーーー???? そんなこともわからないの!!!」とか、「・・・あなたって・・・」とか、不愉快な反応が返ってくるだろう。

「あなたは旦那に不倫されても、何とも感じないっていうの?」と、無意味に論点を広げる人もいるだろう。

独身で、好きな人に振り向いてもらえなくても、手ひどくふられても、同じかそれ以上に辛いよ、経験あるもん。

でも、婚姻関係にある奥さんの「辛さ」だけは、倫理的、法的に、何とかしてあげなくちゃいけない、と、いう根拠はなんだろうな。

「いけないからいけない」という倫理は、時代によってどんどん変化してしまうものだ。

特に男女の関係というものは、そうだ。

きちんとその当たりを誰かとディスカッションして、自分の考えを固めたいんだけど、無理みたいだ。


私には、元夫が大学の教え子と不倫関係になって、2年間、その愛人の居候を許していた過去がある。12年前のことだ。

私や娘の目に触れるところでセックスするほどだったから、色ぼけもここに極まれり、という感じだった。

娘が受験生にになった時、脅して出て行ってもらったら、アパートを借りて、二人で週末同棲をはじめた。

元夫は、本人の自覚は知らないが、この頃から人が変わって、若い頃からの大切な友人たちが、みんな静かに離れていった。

恋愛とは、狂気なんだと悟った。

好きになっちゃったら、もう仕方がないんだと思った。

私が、元夫の愛人が大学を卒業するあたりの7年後まで、甘んじて仮面夫婦をしていたのは、苦労して築いた元夫の大学での地位を、崩したくなかったからだ。

元夫は自分一人で勝ち取った、というストーリーにしているはずだ。

私と娘の認識はそれとは違う。元夫の友人だった人たちの認識もだ。

あれを崩したら、私と娘の12年もの歳月がなかったことになってしまう。

私はともかく、子供だった娘の支払った犠牲は「なかったこと」にしたくない。

それはどうしても嫌だと思う。

・・・ただ、私の大切な人間を守るために、戦う武器はたくさん仕入れた。

こっそり写した写真の他、元夫のパソコンから、山ほどの画像とテキストを。

愛人が、元夫を誘惑するために送ってきたと思しき、自撮りの全裸の写メ。

元夫が撮影した、愛人のヘアヌード

二人が抱き合って眠りこけているところを撮影したもの。

そして、二人の長文のメール。

媒体に入れて、大事に保管してある。

不貞についてはとっくに時効なので、お金を請求するとか、そういう気はない。

だが、娘を毛筋ほどでも傷つけるようなことをしたら、その時には使う。

使わないで済むことを願っている。


というわけで、私は、日本の結婚制度が、もう時代に合わなさ過ぎて、弱い者を苦しめているように思えてならない派なので、もろもろのスキャンダルを、そこの根っこから考えるきっかけにしませんか?と言いたいのである。

つづく