師範とKing & Princeとジャニーズ

師範が織田信長を演じるというので、ずっと楽しみにして来た、大河ドラマ「どうする家康」ですが、常に期待の斜め上を行く師範のこと、初回から「俺の白兎」爆弾を投下してトレンドを制するという暴れっぷり。おまけに、殺陣も組合も、全部本物だけあって、息苦しくなるほどの緊迫感。ここまで豪華にしてしまったら、後の飢餓感が今から心配になります。半世紀以上前の大河「太閤記」で、織田信長公の助命嘆願書がNHKにたくさん届いた、なんてニュースがありました。その甲斐あって、一話分、信長公が長く生きたのだとか。岡田信長公には、地球最後の日まで生きてて欲しいものですわ。

師範がMCを務める「明鏡止水」も、見事BSから地上波にレギュラー入りしました。「ザ・プロファイラー」と共に、捕獲した番組を例によって気の向くまま何度も繰り返して見ています。番組の評判も良いですね。大河との相乗効果もあって。それまでファンでなかった一般の方の師範への賞賛の声を聞くたび、無上の喜びに酔いしれるファンあるある。師範の格闘技と歴史へのオタクっぷりが、日本国民の一般教養になる日は近いと思います。

さて、師範がアイドル仕事を終了して、一年以上の月日が経ちました。Wikipediaには「元歌手」とありました。V6メンバーの三宅健さんは、ご自身のSNSアカウントにはっきり「アイドル」とあるし、トニセンは目下ツアーの真っ最中です。師範は、それまでの活動を継続している他のメンバーとは異なる道を歩まれているってことなんですね。因みに、今回トニコンを申し込んで全滅しました。ダメ元だったんだからと自分を慰めようとしても、つい泣き言が。こういうのは、前と変わりません。

師範はますます独自の道を歩かれるのですね。思い出します。初めて師範をドラマで見て、てっきり売り出したばかりの若い俳優さんだと思い込んだこと。この頃は関西のジュニアがまだ固まってなくて、関西弁とジャニーズが繋がらなかったのです。そうしたら、クレジットに「岡田准一(V6)」と出てくるから、思わず「やだ、ジャニーズなの?!」と不機嫌な声で叫んじゃいました。ほんと、ごめんなさい。罪滅ぼしに、使徒行伝の聖パウロの如くアンチから転じて布教に務めたから、許してください。

アラフォーのその時になるまで、アイドルは元より、アイドル的な人にハマったことがたったの一度もなかったのですね。でも、振り返ると、劇中の人とリンクしている素敵な俳優さんにはハマるみたいです。師範には、そこから歌とダンスのパフォーマンスまで導いてもらって、新しい世界を知れたので、とても感謝しています。歴史と武道にまでも導かれ、ひとりで城旅するようになれたのも、ありがたいことです。

 

さて、以下少しディープな内容なので、ご注意ください。

 

私のように「基本テレビは見ない」「性別問わずアイドル的なものに興味がない」「映画やドラマは気が向くと見る」というタイプの人間が一定数います。ジャニーズがドラマにたくさん出演して、なおかつそのクオリティが高いと、こういう層がファンに取り込めます。物語には受け手の好みも左右されるので、誰もが取り込める訳でもない、率の悪いプロモーションのようでいて、ひとたび心を射抜かれた視聴者はかなり熱いファンになります。

因みに私が過去どハマりした物語は、すべて「復讐譚」だったことに最近気がつきました。「羊たちの沈黙」「D ✖️D」「カメレオン」「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う」「クロサギ」。必ずしも大ヒットした作品でなくても、関係ないみたいです。人間は色々だから、ハマりの法則も人それぞれでしょう。そして、私は師範のファンになりました。多分、生涯の。

ジャニーズの人たちが多く俳優として出演するようになって、この「取り込み」の流れが作られた功績は、確実に現社長のジュリーさんにあります。Wikipediaでジュリーさんを検索して、「制作」のリストを見てもらえれば、私がなぜそう思うのか、分かってもらえると思います。師範は本当にたくさんの映画に出演して今のポジションを獲得できたので、その恩にはとても感謝しています。

だから、あまり悪く思いたくなくて、この度のKing & Princeの脱退・退所の報道については、とても複雑な気持ちでいます。この子たちを「やっと見つけた」と思った矢先に、あんまりだと思いました。あの子たちがバラバラになって、5人でのパフォーマンスがもう見られなくなるのが、ともかく悲しくて、それを追い込んだのがジュリーさんだとネットで噂されると、頭の中の整合性がおかしくなって。どちらにしても、このままKing & Princeが空中分解したら、事務所のブランド力の低下は免れないし、良いことはおそらくありません。

65年も生きているので、ジャニーズが、山あり谷ありの険しい道のりを辿って、やっとここまでブランド力を高められたのを視聴者としてこの目で見ています。初代ジャニーズもかろうじて覚えています。それが崩壊するなんて、にわかには想像できませんが、これまで大企業がまさかの崩壊を遂げるのを幾つも見ました。創り上げるのとは比較にならないスピードで滅びていきました。内部の分裂がきっかけという話はとても多いです。ジャニーズだって、たぶん例外ではないのでしょう。優秀な人が次々離れて行くのは、良くない兆候です。

そんな風に、大好きな師範が乗っている船が沈むことを想像するだけで、頭がおかしくなりそうです。

今、コロナ禍や第三次世界大戦前夜とまで噂される戦争のせいで、世界が大きく変わっていくのをひしひしと感じます。エンタテイメントも、ネットワークのおかげで、どんどんボーダーレスになっていってます。その中で、世界に通用するほどのKing & Princeが日本に現れたのは、福音です。これは、奇跡なんだと思います。せめて、あと4ヶ月弱の間に、King & Princeの楽曲をダウンロードとストリーミング可能にして、世界に配信して、話はそれからだと思うのです。

今日はここまでにします

では