歴史>徳川家康役のこと

大河ドラマ麒麟がくる」の最終回を見ました。明智光秀の死が直接描かれず、数多ある生存説を匂わせるような終わり方だったのが、とても新鮮でした。

あちこちの感想ブログを読みに行って、その中でも、光秀生存説でも有名な「天海説」をドラマは採用したのではないか、という文が一番面白く感じました。

徳川家康との心の絆が丁寧に描かれていたのも納得です。後の世の私から見れば乱世の中、麒麟を連れて来たのは天海の仕えた家康ですから。風間さんの繊細な面を持った家康、良かったです。

海上人が所有する兜の前立てが麒麟であった、と知って、タイトルも含めて緻密な物語だったな、と感じ入りました。

まあ、フィクションだとは思いますが、大河を見続けて良いところは、あらゆる切り口で歴史を見る癖がつくことだと思います。

余談ですが、行ったことのある名城の数々が登場するのも堪えられない楽しさ。一乗谷の朝倉氏の庭園なんて、落涙ものでした。

 

ところで、岡田准一さんは、大河「軍師官兵衛」では、三英傑に仕え関ヶ原合戦では九州で東軍として戦った黒田官兵衛を演じ、一転、映画「関ヶ原」では西軍の石田三成を演じました。

映画の宣伝の中で、半分冗談のように、いずれ徳川家康を演じたいと語られたので、ファンとしましてはがっつり本気にすることにしました。

ずっと楽しみにしてるからね、絶対だからね、責任とってね(笑)。

関ヶ原での徳川家康は57歳。実年齢で演じるとしたらあと17年後。現代人は戦国時代よりも肉体的にずっと若いそうなので、もう少し後でも大丈夫ですね。

石田三成は家康の17歳年下です。実年齢でいくと、現時点で23歳くらいの若手の俳優さんですか、アラフォーの頃に時代劇が似合いそうな人は、まだわかりませんから、今後の楽しみ、と言うことで。

ただ、ひとつ重大な問題がありました。その頃、私は80歳を超えます。それまで生きていられるかどうか。それと言うのも、父方が血栓家系で、元気な人がバリバリ働いていたかと思うと次の日にはもういない、とか当たり前にあったから。死生観があれにだいぶ影響されました。

岡田さんの家康を見ずに死ぬのは嫌だなあ。

徳川家康は、漢方薬を自分で調合したり、馬の鍛錬を欠かさなかったりする戦国の健康オタクだったそうです。豊臣子飼いの武将、特に加藤清正が亡くなる後まで生き抜き、70代で豊臣を滅亡まで追い込んだのは、その地道な努力の賜物でした。あやかりたいものです。

 

話はかわって。

役作りも、歴史上の人に寄せるのはなかなか大変でしょう。

家康の風貌ですが、年齢による変化が大きくて、若い頃と晩年では同一人物とは思えないほどです。タヌキとか言われた晩年がパブリックイメージですが、若い頃はそれなりでした。

ただ、目だけはずっと家康のまんまでした。瞼にかからず瞳がまん丸に見え、かつ虹彩の色が薄く、瞳孔が黒い小さな丸になってくっきり見える目は、肖像画すべての共通点です。

「虎の目」と呼ばれるこの目ですが、まん丸な瞳は真っ直ぐで人懐こい印象を人に与え、薄い虹彩は引き込まれるような引力を持っています。「鬼滅の刃」の煉獄さんがまさにこの「虎の目」ですね。

家康は、この瞳の魅力もあってか人を虜にする人だったと伝えられています。岡田さんは、綺麗な目をしてらっしゃるので、きっとリアリティのある家康になるでしょう。楽しみです。

 

ところで、2023年の大河は、主人公が徳川家康で、松本潤さんが主演されるとか。

うんうん、岡田さんと共演した映画「Tokyo tower」での、ギラギラしてるけどどこか上品、適当そうに見えて実直、という複雑さを持った若者像が魅力的だったので、期待しています。家康の人を引きつける力は、ご本人も持っていらっしゃる力だと思いますし。

また、違う切り口の大河を見せていただけること、楽しみに待っています。

 

今日はここまで