『ハッピーフィート』

先行上映で見てきた。
かわいいペンギンが歌い踊る、底抜けに楽しいCGアニメが見られると思って見たけれど、ちゃんと真面目に語る部分も盛り込んである、真面目な映画だった。
もちろん、CGは楽しい。思いがけない絵の連続だ。水の中の描写など、すばらしい絵がいくつもあった。その上、大好きなクイーンやスティービー・ワンダーの歌で、モーションキャプチャーに微妙な揺れまで含めたこだわりの群舞まで見られるとなったら! 至福のときだ。

ところで、ブログに感想文を書くために、終わったあとちゃっちゃとメモしたコトバは「ボディランゲージ」「通じる」「訴える」「みそっかす」「異端」「異能」「こころのうた」「求愛」の八つ。なんのことだか、さっぱり思い出せない(汗)。メモの意味なし。ただ、大きなテーマとしては、「人類だけが地球人じゃない」ってことかな、と見終わってから感じたことを思い出した。人間にただちに理解できる記号でコミュニケートできる生物は、今のところ訓練されたサルやイルカや犬などに限られているわけだが、このペンギンたちのように表現系を見つけてコミュニケートしようとする生物があらわれたら、どんなに素敵だろう。しかも、タップダンス。求愛の歌を歌えない、みそっかすの主人公マンブルの唯一の表現系がタップだったわけだが、それはそのまま人間に対する、ペンギンたちの立場をも象徴的に表している。気持ちが繋がり始める瞬間が、やっぱりいい。

人間だけは実写で出てくるが、ペンギンたちに言わせると「醜いペンギン」なんだそうだ。こっちからは、ペンギンが「変な人間」にも見えるから、案外、お互い親しみを持って交流していくことができるのかもしれない。