『パイレーツ・オブ・カリビアン デッド・マンズ・チェスト』

昨日、先行上映で行ってきた。

前回と同じくはらはらどきどきの冒険活劇。前回よりも派手なカメラワーク、前回よりも凝った映像。おなじみブラックパール号をはじめ、船が次々と破壊されていくシーンとか、幽霊船が消えたり現れたりするシーンとか。また、大小の怪物たちがともかくリアルで気持ち悪くて、しばらく両生類以下の下等動物の顔は見たくない(笑)。他の動物と人間の融合度がここまで強いキメラを、イメージで作れる人がいるなんて。
だけど、それでも前回の感動と比べて少し物足りなく感じるのは、第三回に向けての謎の提供という部分が多くあったからだと思う。それは、解かれないまま「つづく」となっているわけだけど……。これって、『スターウォーズ』をはじめとするシリーズ物によくあるパターンだ。このちょっとした『じらし』が最後のクライマックスたる第三作目の感動に繋がっていくのだと思う。来年の五月が早くも楽しみだ。

おなじみの三人組、ジョニー・デップ、オランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイが例によって超美形で素敵だ。まあ、これなどは言うまでもない事だ。しかも、今回も前作同様、コメディ部分の思い切りが最高。我が家では、娘がジョニー・デップにはまりまくっているので、私もつられて真剣に見入るわけだが、そのせいか、どんな変な人の役をやっていても、ジョニー・デップはどこかかわいく見える。個人的に一番好きだったのは、人食い人種の村から逃げ出すシーンだ。

ところで、海賊と言えば、『宝島』などの物語で、日本人であっても、その雰囲気だけは何となく知っている人は多かろう。船乗り特有のメンタリティがとても面白く映る。超常的な力に対して、強い畏敬の念を持ち、迷信深く、仲間を裏切ることを重罪と捉える、そういう性質だ。海が人間をそうするのだろうか。また、貿易という方法で勢力を伸ばしている国に対して、小さい組織で十分な対抗勢力になったことによる自負の念というのがまた強い。キャプテンであることの重さというのは大変なもののようだ。そういえば、一作目、二作目を貫いていたものも、この「キャプテンであることの重さ」だった。

ともかく、期待して見る人には、期待は決して裏切られない映画です、とだけ。