映画、コーヒーブレイク

コメントをいただいて嬉しかったので、まだ次の映画を見てなくて感想が書けないけれど、ちょっとコーヒーブレイクで雑談などを。

今、映画やドラマを製作する人たちに、とても強い興味がある。
特に、まず企画をどう発想して立てるか、というところに一番の興味のポイントがある。
子供の頃から本の虫で、高校くらいから、『見てから読むか、読んでから見るか』のキャッチフレーズで始まった角川映画の術にまんまと落ちて、映像作品と本をセットで楽しむようにもなった。
にもかかわらず、原作を見つけてそれを映画化するという、企画段階のプロセスがそこにあることにいつも気をとめる様になったのは、最近のことだ。
それはやっぱり、一人の俳優に惚れこんだことがきっかけだ。
映画という娯楽が、イメージの中で、純粋に「お客さん」でいられるものから、自分もその未来に何らかの責任を負っているものに変化したからだと思う。
映画やドラマが、世相を反映しつつ、世相を作っている、というのも痛感した。
職業として映画・ドラマ作りをしている人たちにとっては、私のようなのは、ただ煩わしい存在でしかないそうだが(汗)。

さて、映画館に足を運ぶ動機となる要素は、主として四つあるとか。
順序としては、1.キャスト、 2.ストーリー、 3.話題性、 4.監督・脚本家。
ちょっと意外。

キャストが一位というのは……
私の場合、『この人が出演するなら見よう』という動機付けが非常に強いので納得だけど。
それが全体的に見て一位ということならば、売れっ子のスターのスケジュールを抑えるのがプロデュースする人たちの最も重要な仕事になっていく、ということだ、
ただし、コアなファンは、贔屓が雑に扱われると凶暴化するから(ひと事じゃない)、これも単純な作業ではないだろう。
魑魅魍魎のうごめく姿が、一瞬脳裏をよぎってしまった。くわばらくわばら。

ストーリーというのは、原作物が既にベストセラーの場合もあれば、埋もれていたのを発掘された、という場合もあるだろう。
この『発掘』の作業は、大変ではあるだろうけど、やりがいもありそうだ。
漫画やゲームが原作、というものもあるし、自伝などのエッセイもあるし、純粋なオリジナル脚本の場合もある。
最近では絵本、というのもあった。
古典は別として、私の好きな本が映画になったことは、あまりない。
私が好きなものを映画化しようと思った人がいないのか、たまたま映画化に不向きなものばかりが好き、のどっちなんだろう。
……死ぬまでに『チグリスとユーフラテス』を実写で……『闇のイージス』を……無理かなあ。
今、『指輪物語』や『ナルニア国物語』や『チョコレート工場』なのだから、希望は捨てない。
それで、ふっと思う。自分の好きな本やコミックを、映像、しかもできれば実写で見たい、なんて夢を持っている人、たくさんいるんだろうなあ、と。
いや、もっと潜在的に、「見てみたい」とも思わず、ただ好きで、それが映画化されて質がよければ、ギネスにも載りかねないリピーターになる人は、けっして少なくないと思う。
隠れたニーズを拾い上げるのは、簡単そうに見えて、実はとてつもなく難しい作業だそうだ。
求めている人が、自分のその欲求に気づいていないからだ。
インターネットが急速に発達していくことで、その辺りも何とかできるんじゃないかと思う。

さて、話題性って何だろう、と思った。
流行に疎い、F3層一歩手前のF2層、しかも、仕事人間の私が、話題って言われても。
……思い出した。
その昔、山崎ハコさんが好きで(正確には彼が好きで)、主題歌を歌っている、というだけの理由で、千葉の栄町くんだり(冷汗)まで出かけて、映画『地獄』を見たことがある。
ラジオの深夜放送で洗脳されてしまったのだ。
胃腸に来る、かなり苦手なタイプの映画で、主題歌がなかったら見なかったはずだ。
これなんかまさしく『話題性』というものに違いない。
まんまと乗せられたけれど、原田美枝子さん好きだし、体当たり演技を目撃できたので、得した。
主題歌に惹かれて見に行く、というのはかなりマニアックな部類に入るけれど、シネマコンプレックスが当たり前にの時代の今なら、珍しくはなくなっただろう。

監督・脚本家となれば、洋画・邦画ともに好きな監督・脚本家は何人かいる。
ティム・バートン監督のは、事情がない限り全部見ることになっている。
はずれがひとつもない。ともかく幸せ。
好き、というわけではないけれど、いい映画を見て、その監督の次回作、というので見に行った、なんていうのはたびたびある。
前の映画で特に「いい」と感じた要素は、不思議なことに、監督が同じだと必ず次回の作品にもある。
映画そのものの質は、脚本家と監督による、と言う人が多いけれど、一理あるのかも知れない。
『誰も知らない』の是枝監督の次回作に、我がアイドルが抜擢された。
私にとってふたつ以上の要素が合致した、稀な映画なのでとても待ち遠しい。
半年先の封切だけど、せっかちの私には珍しく、今回はきちんと深く楽しもうという心積もりで、静かに待っている。

本当に取り留めない雑談の上、最後はやっぱりオタ話になってしまって、ごめんなさい。
ではでは。