『化身』ビデオ

仄暗い水の底から』をレンタルするついでに、黒木瞳さん出演のものをもうひとつ借りようかと思い立ち、いろいろ迷った挙げ句、『化身』に決めた。もうここまできたら、『岡田くんゆかり』でもなんでもない。つまりは『はまった』のである。

ところで、この映画だけど、私の守備範囲外であるため、当時、作詞家の阿木陽子さんが脱ぐというので話題になったことをかろうじて覚えている程度の認識だった。
黒木瞳さんのエッセイによれば、これが宝塚を退団して、ずっと映画の仕事を待っていた時に、決まった仕事だったこと。確かに、この役は、引き受けたらそれでキャリアがストップしかねない危険な賭けだったと思う。だけど、こういう役を演じても、決して女性の反感買わないところは、やっぱり品がある人の得なところだ。『失楽園』と比較して、女性のしたたかさみたいなものがもっと描かれていたから、女性の武器を濫用して男性を利用する、鼻持ちならない女性に見えかねない。それは『東京タワー』も同様だったけれど……それでも、見る者を味方につけてしまう説明しがたい魅力がある。『説明し難い』と言いながら、その謎を解き明かしたくてたまらない。
あまり映画のレビューになっていないけど、こんなところで。