『花よりもなほ』ブックリスト

雑誌ラッシュ、岡田くんが表紙の雑誌が次々と書店のラックに並べられる、心楽しい期間がやってきた。

さて、是枝監督が、『花よりもなほ』制作のために参考にした本のリストが雑誌『SWITCH』に掲載されていた。

その中に、山本周五郎著『ひとごろし』が入っているのを見て、びっくりした。岡田くんに絡めて、二回も書いた本のことだから。別に何か情報をキャッチしていたわけではなくて、例によって天から降ってきたのだった。こういうのも、一種の運命ってやつだろうか。岡田くんが監督と波長が合うというからには、私も監督と何かしらリズムが合うに違いない。そう思っていたから、やっぱり偶然とは思えないでいる。いや、私は気が強いから違うかな。

あと、井上ひさし著『不忠臣蔵』も。仇討ちそのものが、決してかっこいいものではないことを、私はこの『不忠臣蔵』で学んだ。無様だったり、大人の嫌らしい思わくがぎっしりだったりする。仇を討たなかった人たちにも、やむにやまれぬそれぞれの事情があった。とかく美化されがちな仇討ちだけど。

やっぱり、意識されていたのは9.11だった。でも、単純に『憎しみを憎しみで返すな』なんて精神主義では収まりきれないお話になっているようだ。これは、どうなっているか、見てのお楽しみということで。