『僕たちの未来は明るいですか?』06/1/8 宮台真司さん

今だから明かすけれど、この番組が始まってしばらくして、「えっ?」と思うほどビッグな名前の方までもゲストにいらっしゃるのがわかって、『フライ、ダディ、フライ』のスンシン君風に「養老さんか宮台さんをゲストにできたら褒めてあげる」なんて、パソコンに向かってえらそーに言ってしまったのだった。なんという不届きなリスナーであろう。だから、今回はとても嬉しい。

とは言っても、宮台先生のファンというわけではない。ファンを名乗るのであれば、最低限著書は全部、とまではいかなくとも、半分以上は読んでいないといけないと思う。ただ、ずいぶん前に読んだ文に、とても気になるフレーズがいくつかあって、書き言葉ではなくて、話し言葉ではどんな話をされる方なんだろう、といろいろ想像していたのだ。そのひとつ、いい男にめぐり合うためには、血を流さなきゃいけない、だったかな。

ところで、『しあわせになれない日本人』のみっつのキーワードだけど、
弱者が自分の首を絞める構図の、強いものに寄りかかりたい心理というのは、とてもよくわかる。
とりあえず人間は何かに寄りかかりたいものだと思う。けれど、弱い者ほど、抽象的なものではなく、より具体的で現実的なものに寄りかかろうとする。長い目で見て、それが本当に自分の支えになってくれるほど心強いものなのか、その時点で見極めができる人は、その中にはいないだろう。ということであれば、この構図は、自発的には変わっていかないのかな、と思う。
希望格差社会を批判する動き」。どうも、アメリカ人というのは、人生を有限だと捉えていない気がする時があるんだけど、それが宗教をベースにした人たちの特徴的なメンタリティであることに気がついた。日本人には真似できない、というか、絶対に真似しない方がいい。そういえば、この番組でも「お金をかけない幸せ」とか、「自転車ライフ」とか、ヨーロッパ的な暮らしを勧めるゲストの方がたくさんいらした。物が見えている人には、結局それが「日本の進むべき道」に見えるのだろう。だとしたら、私も同感だ。

それからふたつめは、私もずっと主張してきたことだったので、とても嬉しい。先生の言うとおり、ニートは増えていない。自殺や、少年犯罪や、いじめや、虐待が増えている、というのも事実ではない。事実は逆だ。平行線、もしくは減っているのだ。これを識者がデータを出して、いくら訴えても、なかなか浸透しない。専門家ですらこんな状態だから、一般人の私が、自分の体験談まで出して証明しようとしても、ドン引きされて終わりだ。その上、論点をずらされて、私個人の「心の闇」が云々とか、聞いた風なことを言われた日にゃ……。こういう社会の襞の闇というのは、ずっと昔からあって、今はむしろ良くなってきているくらいなのに、なぜか悪くなっているとされる。それは間違っている、と訴えているのに、実に異様な反応だ。この反応も半ばパターン化している気がするのだが、その理由がよくわからない。悪者を見つけてぶっ叩きたいだけ、というシンプルな理由なんだろうか。

みっつめ、戦略的思考……それは、日頃からメタな思考を訓練しないと無理。

ところで、「祭り」ってことで言えば、コンサートまさにその「祭り」だし、岡田くんたちは、その祭祀だと、私が以前からずーっと言っているのに。ただの飾り言葉のつもりじゃなかったんだけどな。「祭り」の言葉が出てきたときに「コンサートのこと言うかな」とわくわくどきどきした私が、ちょっと馬鹿みたいだった。住民が地域性を失っている都市では、こうした芸能を積極的に「祭り」として活用する必要があると思う。そのあたり、芸能に携わる方にもっと意識してやっていただけると、とても嬉しい。

例によってまとまりがないけれど、この当たりで。