『考古学って何ですか』 05/12/25 吉村作治さん

歴史に強い興味がある岡田くんにとって、今回のゲストは、とても心待ちにしていた方ではないだろうか。抜群のユーモアの持ち主と定評のある先生のお話、岡田くんもずいぶん楽しそうだった。
『マスター・キートン』我が家にコミック本がある。『YAWARA!』でおなじみの浦沢直樹さんの作画による、ワンマン・アーミーに考古学の味付けをした、個人的に大好きなお話だ。岡田くんて……本の好みは私とかぶらないけど、漫画の好みはばっちりかぶる……気がする。漫画に関しては、新しい知識を獲得できるタイプのが好き、と見た。

考古学というのは、古代の人との対話、だろうか、私のイメージでは。
世界史では、エジプト史は最初の方のチャプターで出てくるので、これが先生の言われるとおり、二割ほどしかわかっていなくて、今後の発見によってどんどん変化していく、となると、「どこがどう変わってしまうだろう」という目になって読むようになる。これも意外に面白い。
つい最近、ツタンカーメンの暗殺説の記事を読んだのだけど、彼はどうやら病死だったらしい、というのが一番新しい発見だとその少し前にテレビでやっていた。情報が錯綜しているのは、この分野の研究が日進月歩だということを示していると思う。

ところで、先生が、映画『インディー・ジョーンズ』に対して、「いい所を突いてる」と言ったポイントは、子供の玩具の取り合いを、うーんと派手にしたような、考古学者同士のいさかいのことかと。または、信仰が絡んだ発掘には、現地の住人の執拗な妨害がつきものだ、とか。あと、命がけで発掘されたものに対して、真の価値が理解できないお役人は、実に冷淡で事務的だ、とか。この当たりではないかと。しかし、保守的な学者の体質とか、襲撃とか、けっこう暗い面も明るく語っていただいて……トップにある先生だからこそ語れることなのかも知れない。『白い巨棟』考古学会バージョン。

考古学者になるのに資質はいらない、というお話から入って、どういうステップでなっていくか丁寧に話してくださったので、後継者を本気で作りたい、と考えておられるのだな、と思った。その上で孫弟子を育てるなんて言われるからには、世界一の考古学者(しかも話し上手)を持っているにも関わらず、日本の考古学における人材は、まだまだ足りない、ということなんだろう。

例によってまとまりがないけれど、このあたりで。