:『希望ってなんですか?』05/10/16 玄田有史さん

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玄田有史さん

失敗をみんな恐れていて、新しいことをはじめるのに抵抗が強くて、目先のことに追われてて、楽しむのにお金がかかり過ぎて、女性が子供を産みたがらない、若者が生き生きと働きたがらない、老後が心配でたまらない、みんな希望を持てない国。……なあんて列記したら、淋しくなってきた。私には希望があるかっていうと、娘と岡田くんがいるから、ある。自分のことについても、こつこつやっていればいつか、と思っていること、ある。そりゃね、絶望したことがないと言ったら嘘になるけれど、未来はまだわからないのだし、希望を持つか持たないか、どっちか自由に選んで良いとなったら、希望を持つことを選ぶ、というだけのこと。
前々から思っていることだけど、自分が自分をどう感じるかより、人からどう思われているかの方に、ポイントがあるような気がする。この辺りも流行があって、それに合わせるのもなかなか大変だ。自分の人生なんだから、自分に一番合っているものでいいじゃない、なんて通らないんだろう。面倒くさい。希望なんて、お互いが縛り合っている関係の中に生まれっこない……そう思うんだけど、違うのかな。

ところで、アメリカとかだと、岡田くんが言うような、デール・カーネギーが提唱する自己啓発のようなプログラムを、社会人に向けて大真面目でやっているクラスが普通にある。しかし、日本の場合だと、こういうのはどうも受けないような気がする。国民性が違う為に、日本人にはそのまま使えないものもあると思う。でも、自分の人生を改善するために、階段をひとつひとつのぼっていくように、毎日何かをしていく、というやり方はかなり有効だと思う。希望学という分野があるのを今回はじめて知ったが、日本製のプログラムとして有効に活用されていくのかな、と思う。
小さな幸せとか、いろいろ発見する習慣は、私の場合ある。映画とか本とか、花とか、空とか、いろいろ好きなものがあるから、小さな幸せは割とあっさり見つかる。未来の希望も、そこから派生していることが多い。そんな話を聞けるかな、と思っていたけれど、それはなかった。「仕事をする人」としての希望学ということだったのだろうか。もうちょっとお話を聞きたかったな、と思う。