映画「DIVOC-12」見てきました

昨日、映画「DIVOC-12」を見てきました。書くことあり過ぎて、大変です。中身についての感想は後日に回して、まずはざっくりと。

それにしても、映画館で見るオムニバス映画って、本当に久しぶりです。2008年の「陰日向に咲く」以来、13年ぶりになりますか。よく出来たオムニバス映画は楽しいという事も、久々に思い出せました。ちなみに一番好きなオムニバスは「運命の饗宴」です(古い)。

白状すると横浜流星さん目当てで行ったのですが、目的がぼやけるほどひとつひとつ面白かったので、得しました。

12という数字にも、意味があったのですね。成り行きじゃなかったんですね。もともと、12が東西で重要視されるのは、地球が太陽を一回転する間に、月が地球を12回転するからです。幾何学的な美しさを持った数字でもあります。メインの監督と基礎のテーマは3。映画全体の長さは約120分。1テーマ40分・・・一話完結のドラマの長さ。1ドラマは起承転結の4分割。こんな風に企画された訳ではないでしょうけど、妄想しただけでも楽しくなってきます。前田敦子さんが1人きりで眠っているところから始まり、横浜流星さんの未来を予感させる2人から1人への眠りで終わる、そんなところにも、何か意味を感じてしまいます。

枠の中にあっても、否、あるからこそ、それぞれの監督の独自性を思い切り発揮した自由さが、10分という短い時間の中でも本当に楽しくて。12もあれば、後で記憶の曖昧なものがいくつか出るだろうと思ったのに、全部ストーリーも場面も脳内再生できます。すごい。「被った」ものがひとつも無い証拠。見終わってから個人的なランキングをつけようと思ったのですが、迷ってばかりで進まず、途中で諦めました。

ああ、でもアクション大好きなので、清野菜名さんのワンマンアーミーのアクションが久々に見られたのは興奮しました。好き。富司純子さんはじめベテランの方たちは言うに及ばず、若い俳優さんたちも素晴らしかった! 他にも、好きなもの・・海、古民家、街並み、が たくさん見られたのも収穫でした。ほんと、長い間好きな物を見に行けてないんだな、と改めて思います。

余談ですが、街並みと言えば、横浜流星さんがインスタを更新された写真の、背景にしているレンガの壁、フランドル積みですね。シーンに出てきた南禅寺水路閣の橋脚はイギリス積みなのに。レンガの長手と短手を一列の中で交互にして、上に積んでいくのがフランドル積み。長手だけの段と短手だけの段を交互に積むのがイギリス積み。日本ではフランドル積みはとてもレアで、神奈川では私の知る限り猿島ぐらいです。横浜さんが写された場所はどこなんでしょうか。・・・つまりは私、レンガ、大好きなんです。ああ、また行きたい場所が増えてしまいます。

そう、人、建造物、物の細部、背景に至るまで、その空気感に影響を受ける体質なのです。おかげさまで元気出ました。映画やドラマを作る人たちは、このコロナ禍の中で、「不要不急」の枷に翻弄されて大変な思いをされているとお察しします。でも、少なくとも私は、「映像による物語」のない世界では、一年ともちません。過去の作品があればいいじゃないかと言う方もいるんですが、公開される作品を指折り数えて待つ事ができなくなったら、やっぱりもちません。

仕事場では、映画もドラマも滅多に見ない、本も読まない、音楽も聞かない、という人は珍しくありませんでした。そんな人には、他に好きな事があるからです。かくも人は様々ですが、「好きなものが制限・禁止されるのは生き辛すぎる」いう一点だけは、共有しているのだな、というのがコロナ禍での学びでした。

だから、たくさんの制約の中で、それでも作り続けてくださった方達に、敬意を表すると共に感謝の言葉を送りたいと思います。素敵な映画を、ありがとうございました。

感想はまた改めて。

ではまた